iOSエンジニアがフリーランスになるには?案件の単価や年収相場について詳しく解説



上記のような不安や疑問を解決するべく、本記事では下記の内容について解説します。
- フリーランスiOSエンジニアの単価、年収の相場
- 案件の取り方やおすすめのエージェント
- フリーランスiOSエンジニアの将来性

目次
フリーランスのiOSエンジニアの仕事内容
iOSエンジニアとは、iOS上で動くさまざまなアプリを開発する仕事です。

具体的な仕事内容は、大きく分けて以下の3種類です。
- スマートフォンアプリの開発
- ゲームアプリの開発
- PMなどの上流工程
順番に見ていきましょう。
スマートフォンアプリの開発
スマートフォン、あるいはタブレットで利用するためのアプリケーション(アプリ)を開発する仕事です。
新規アプリの開発だけでなく、設計や既存アプリの改善、開発後の保守運用まで求められる場合もあります。
ゲームアプリの開発
スマートフォンアプリの1つとしてゲームを開発したり、ソーシャルゲームの開発に携わったりする仕事です。
ゲーム市場は拡大し続けているため、ゲームアプリ・ソーシャルゲームともに今後も発展していくと考えられます。
PMなどの上流工程
経験・スキルともに高い方であれば、PM(プロジェクトマネージャー)としての仕事を任されることもあります。
開発スキルはもちろん、チーム内での打ち合わせやコミュニケーション能力、マネジメント能力も必要になるポジションです。
フリーランスのiOSエンジニアの案件例
それではフリーランスのiOSエンジニアとして、実際にどんな案件が出ているのか見てみましょう。
※すべての案件情報は2022年4月時点のものです。現在は公開終了している場合があります。
引用:レバテックフリーランス
「アプリ開発経験2年以上」「チーム開発経験」のように、求められるスキルや経験が高いほど、単価も90万円と高くなります。
引用:レバテックフリーランス
上記は経験年数が問われていないため、フリーランスになりたてでもトライしやすい案件といえます。
単価はそれほど高くありませんが、最初の頃はこのような案件で経験を積むのがおすすめです。
引用:レバテックフリーランス
家電量販店や化粧品会社など、特定の業界に特化したシステム・アプリの開発案件も多いです。

フリーランスのiOSエンジニアの案件単価・年収相場
レバテックフリーランスの求人情報によると、フリーランスのiOSエンジニアが得られる案件の平均単価は、月額76万円です。
案件単価には以下のように幅があり、安いものでは月額約35万円、高いと月額100万円以上にも上ります。
<求人・案件の月額単価相場>
2022年4月30日時点・引用:レバテックフリーランス
求人サイトによって多少の違いはありますが、経験者の月額平均単価は約70万円と考えられます。
したがって、フリーランスのiOSエンジニアの年収相場は、約840万円(70万円×12ヵ月)です。
ただし経験年数やスキルによって、獲得できる案件の単価は変わります。
フリーランス1年目の場合は、もう少し下がると考えておきましょう。

フリーランスのiOSエンジニアが案件を取る方法
会社員エンジニアとは違って、フリーランスエンジニアの場合は自分で動かなければ案件が取れません。
案件を取るには、下記の3つの方法があります。
- エージェントを使う
- 企業に直接営業する
- SNSで営業する
1つずつ解説します。
エージェントを使う


エージェントを利用すると、以下のようなさまざまなサポートが受けられます。
- 案件の紹介
- クライアントとの条件交渉
- 契約の手続き
- 確定申告の手続き
フリーランスの場合は、案件探しから事務処理まで1人でこなさなければなりません。
なんでも相談できる相手を作っておくと、精神的・身体的な負担を軽減できます。
エージェントによって扱う案件は異なるため、IT系の案件を多く扱っているエージェントを選ぶことをおすすめします。
また案件を受注した際は、手数料(マージン)が必要となることも覚えておきましょう。
おすすめのエージェントについては後述するので、ぜひチェックしてみてください。
企業に直接営業する


直接訪問する、あるいは電話やメールを活用すれば、自分で企業に対して営業をかけられます。
企業と直接やり取りができるので、自分の強みや熱意を伝えやすいのがメリットです。
ただエンジニアやデザイナーは営業に慣れていない人も多く、最初はなかなか難しいかもしれません。
もし業務委託としての経験がないのであれば、まずはクラウドソーシングを使ってみるのも悪くありません。
有名なサービスとして以下の2つがあります。

SNSで営業する


昨今では企業のSNS利用も増えているため、SNSを使った営業も可能です。
上記のようなツールを通して、自己紹介や仕事の実績、仕事に対する考え方などの発信ができます。
普段から同業者の役に立つような情報を投稿していると、企業から直接声をかけられるケースもあります。

- 興味のある企業をフォローし、動向を確認する
- DMを通して営業する
フリーランスのiOSエンジニアにおすすめのエージェント
続いて、フリーランスのiOSエンジニアにおすすめのエージェントを3つご紹介します。
それぞれの特徴を知ったうえで、自分の希望に合ったエージェントにいくつか登録してみましょう。
ITプロパートナーズ
公式サイト:https://itpropartners.com/

運営会社 | 株式会社Hajimari |
公開求人数 | 5,036件 |
平均単価 | – |
マージン率 | 非公開 |
対応地域 | 全国 |
働き方 | 週1~2日から稼働OK、リモートワークOKな案件が豊富 |
※2022年4月30日時点・公式ページより引用/算出(公式:https://itpropartners.com/)
ITプロパートナーズの主な特徴としては、以下の3つがあります。
- 『直請案件』だからこその高単価
- リモート、週1~2日から稼働OKの案件多数
- iOSエンジニアの案件多数
『直請案件』だからこその高単価
ITプロパートナーズ公式サイトより引用(https://itpropartners.com/)
ITプロパートナーズで取り扱っている案件の単価は、『直請案件』が多く他のエージェントと比較しても高い傾向にあります。
※直請案件とは、間に仲介会社を挟まず、直接クライアントと契約している案件のことを指します。
正直、ほとんどのフリーランスエージェントがマージン率を公開していないため、フリーランスの取り分や単価がいいのかを事前に知ることが難しいのが現状です。

マージン率が非公開でブラックボックス化しているからこそ、過剰な報酬の中抜きが発生していないIT プロパートナーズは魅力的です。
リモート、週1~2日から稼働OKの案件多数
ITプロパートナーズ公式サイトより引用(公式:https://itpropartners.com/)
ITプロパートナーズの大きな魅力として、週1~2日から稼働OKの案件が多くあるという点があります。
実際、他のフリーランスエージェントでは、最低稼働日数は週3・4日〜の案件が一般的で、多くは常駐案件です。
その点、ITプロパートナーズは週1~2日〜稼働OKの案件やリモートの案件が多いです。
例えば、iOSエンジニアの案件例として、以下のようなものがあります。
引用:公式サイト(https://itpropartners.com/job/search)
※2022年4月30日時点の掲載案件です。現在は募集を終了している可能性があります。
そのため、「まずは副業的にフリーランスの仕事を始めてみたい」という方必見のエージェントとなっています。

iOSエンジニアの案件多数
ITプロパートナーズは公開求人数で比較すると、全ての職種で業界最多水準の案件数になっています。
実際、公式サイトでiOSエンジニアの案件を検索すると、402件の求人がヒットしました(2022年4月30日時点)。
参考:公式サイト(https://itpropartners.com/job/search)
ITプロパートナーズでは、豊富に案件が掲載されているため、より自分に合った案件を選べる可能性が高いです。
注意:ITプロパートナーズは週1日から稼働可能な案件の紹介が可能なものの、会社員をされている方の副業は紹介できません。
レバテックフリーランス
公式サイト:https://freelance.levtech.jp/
案件数 | 33,922件 |
最低稼働日数 | 週3日~ |
主な求人職種 | エンジニア |
公式サイト | https://freelance.levtech.jp/ |
レバテックフリーランスは、レバテック株式会社が運営しているフリーランスエンジニア向けのエージェントです。
案件の数も豊富で、無料登録すると見られる非公開案件の中には魅力的な穴場案件が数多く眠っています。
レバテックフリーランスの大きな魅力は、以下の3つです。
- 業界最高水準の案件単価
- エンジニア業界に精通したエージェントが案件サポートをしてくれる
- iOSエンジニアの求人数が多い
①業界最高水準の案件単価
特に目を見張るのは、業界最高水準の案件単価です。
また、公式HPでは職種ごとに案件の平均単価も見ることができます。
2022年4月30日時点・引用:https://freelance.levtech.jp/
②キャリアコンサルタントの質が高い
レバレジーズのノウハウが共有されているので、エンジニア業界に精通したエージェントがサポートしてくれます。
また、誰がどの案件のサポートしたかも一目瞭然なので、安心して相談することができます。
③iOSエンジニアの求人数が多い
レバテックフリーランスにて「iOS」で検索をかけると、2,253件ヒットします。(2022年4月30日時点)
フルリモートや一部出社の案件も複数あるので、自分の生活スタイルに合った仕事を見つけることが可能です。
引用:公式サイト(https://freelance.levtech.jp/)
※2022年4月30日時点の掲載案件です。現在は募集を終了している可能性があります。

テクフリ
公式サイト:https://freelance.techcareer.jp/

運営会社 | 株式会社アイデンティティ |
公開求人数 | 9,125件 |
平均単価 | 81.2万円 |
マージン率 | 10%~ |
対応地域 | 主に東京(一部、神奈川・大阪有) |
働き方 | 週2,3日から稼働OK案件あり。常駐案件が多い。 |
公式ページ:https://freelance.techcareer.jp/
※2022年4月30日時点・公式サイトより引用/算出
テクフリの特徴としては、何と言っても案件の質の高さです。
- 高単価案件が豊富
- サイバーエージェントをはじめとする、多くの上場企業の案件取り扱いあり
運営元である株式会社アイデンティティはテクフリ以外にも複数のIT人材派遣事業を行っていることから、高品質な案件が多いのが特徴です。
具体例として、以下のようなiOSエンジニア向けの案件があります。
引用:公式サイト(https://freelance.techcareer.jp/occupations/46/)
※2022年4月30日時点の掲載案件です。現在は募集を終了している可能性があります。

フリーランスのiOSエンジニアに求められるスキル
高単価案件を獲得するには、以下のようなスキルが求められます。
- Objective-C・Swiftを使いこなすスキル
- iOSアプリ開発・運用経験
- コミュニケーションスキル
- マネジメントスキル
フリーランスとして必要なスキルも含まれているので、詳しく見ていきましょう。
Objective-C・Swiftを使いこなすスキル


iOSアプリでは、Objective-CやSwiftが用いられます。
PythonやJavaScriptなどと比較すると、現段階で専門の技術者は少ない傾向にあります。
そのため、身につけておくと重宝されるスキルです。
各プログラミング言語の特徴について、下表にまとめてみました。
Python | 比較的学習しやすくシンプルな言語。 特にAIや機械学習の分野での人気が高い。 |
JavaScript | スクリプト言語の1つで、学習しやすい。 あわせてHTML等の知識もあると、Webサイト構築に役立つ。 |
Objective-C | C言語をベースにした上位互換言語。 iOSのアプリ開発で使われる。 |
Swift | Objective-Cの後継として開発されたが、まだ発展途上の言語。 定期的にアップデートされている。 |
Objective-CやSwiftはC言語がもとになっているため、C言語やC++の経験があれば役に立つ場面も多いです。
また新規開発の際はSwiftを使うことがほとんどですが、Swiftの補完としてObjective-Cが使われることもあります。
できれば両方の知識を持っていた方が、重宝されるiOSエンジニアになれるでしょう。
iOSアプリ開発・運用経験
フリーランスiOSエンジニアになる際、iOSアプリ開発や運用経験を提示できることは特に大切な要素です。
実際にObjective-CやSwiftを用いて開発を行なった実績を提示できないと、自分の条件にあった案件を獲得するのは難しくなります。
またフリーランスiOSエンジニアの仕事は、アプリの開発だけで終わりではありません。
リリースした後に、動作不良の修正やユーザーからの要望に応えたアップデートをしていく必要があります。
開発と運用保守の両方の経験があると、企業からも評価が高くなり、エンジニアとして登用されやすくなるでしょう。

コミュニケーションスキル


リモートワークでは1人で作業をすることも多いですが、フリーランスのiOSエンジニアにはコミュニケーションスキルも必須です。
たとえば下記のような場面で、コミュニケーションスキルが必要になります。
- クライアントのニーズを正確に把握するとき
- 仕事を進めるなかで、疑問点や確認事項が出てきたとき
- チーム単位で開発するとき
クライアントのニーズに合わせて仕事をするためには、相手の要望を細かく聞き取り理解しなければなりません。
仕事を進めるなかで疑問点や確認事項が出てきた際も、スムーズな情報共有が必要です。
チーム単位で開発をすることもあるので、信頼関係を構築して仕事を円滑に進めるためにも、コミュニケーションスキルは欠かせません。
コミュニケーションに苦手意識がある人こそ、改めて社会人のマナーといわれる「報・連・相」の徹底を意識しましょう。

マネジメントスキル


駆け出しのフリーランスであっても、セルフマネジメントの力は必須です。
特に大切なのは以下の2点です。
- スケジュール管理
- 体調管理
案件を受注する際は、必ず他の案件の納期や進捗状況を考えて、無理のないスケジュールが組めるかどうか確認しましょう。
「スケジュール管理が甘くて納期に間に合わない」となると、クライアントからの信頼を一気に失ってしまいます。
そしてスケジュールを守るためにも体調管理は大切です。
仕事と私生活のバランスが自分に任されているからこそ、体調管理を怠らず常にベストな状態で働くことを目指してください。
未経験からフリーランスiOSエンジニアになることは難しい
ここまで読んで、「スキルさえ身につければ、未経験でもフリーランスのiOSエンジニアを目指せるのでは?」と考える方もいるかもしれません。
さらに下図の通りiOSエンジニアを含むIT人材は不足傾向にあり、2030年には約79万人のIT人材が不足するといわれています。
人材不足のため、経験年数が少なくても受注できる案件は存在します。
とはいえ全くの未経験者は即戦力となりづらく、求人自体もほとんどありません。
したがってこれからiOSエンジニアを目指す場合には、次のような方法が考えられます。
- 正社員として2〜3年の実務経験を積む
- Swiftに絞って勉強する
順番に見ていきましょう。
正社員として2〜3年の実務経験を積む
いきなりフリーランスを目指すのではなく、正社員として働くことで次のようなメリットが得られます。
- 実務経験が積める
- (教育制度があれば)iOSエンジニアとしての知識を増やせる
- 安定した給与が得られる
未経験といっても「エンジニアの経験自体がない」「エンジニアとして働いたが、開発経験はない」など企業によって求めるレベルが異なります。
そして将来的にフリーランスを目指すのであれば、会社の教育制度に頼るだけでなく、自ら学ぶ姿勢も忘れないようにしましょう。
Swiftに絞って勉強する
プログラミングをこれから学ぶという場合は、Swiftに絞った勉強がおすすめです。
Swiftはまだまだ将来性があり、Objective-Cと比較してもSwiftの方が学習を始めやすいからです。
ただSwiftが学習しやすい言語とはいえ、iOSやAndroidなどスマホアプリの開発には高度なスキルが求められます。
入門書を使った独学も良いですが、すぐに転職したい人はプログラミングスクールを利用しましょう。

1,000時間ほどの学習時間を想定しているので、会社員の方であれば、カリキュラムの終了までに1年近くかかります。
ただ1,000時間きっちり集中して取り組めば、自然とスキルがついているので、受講する価値は十分にあるでしょう。

フリーランスのiOSエンジニアの将来性
日本ではiPhone人気が高く、Androidを凌ぐ勢いが続いています。
<2021年4月モバイルOSシェア(日本)>
引用:TECH+
それに伴い、下記のようなiPhoneのアプリ開発をメインとするiOSエンジニアの需要も高まっています。
- iOSエンジニア案件の数
- スマホアプリ業界の市場動向
- Apple社の動向に注目
1つずつ解説します。
iOSエンジニア案件の数
iPhoneの需要が高いため、iOSエンジニア向けの案件も多いです。
エージェントによって掲載数は異なりますが、上位3件にはいずれも100件を超える案件があります。
(※2022年4月時点、フリーランススタートより)
引用:フリーランススタート
iPhone人気が高い中で今後急激に案件数が減る可能性は低いため、安定した需要が見込めます。
したがって、iOSエンジニアは将来性のある仕事と言えるのです。
スマホアプリ業界の市場動向
スマホアプリ市場も拡大を続けており、2022年の売り上げ予測は181.8億ドルとも言われています。
引用:総務省ホームページ
アプリの種類は多岐に渡っており、例えば下記のようなジャンルがあります。
- ゲーム
- SNS
- 学習
- フィットネス
これまでは、特にゲームアプリが市場をけん引してきました。
近年では動画配信アプリやキャッシュレス決済アプリに加え、生活密着型のアプリの需要も増えています。
そのためゲームアプリだけでなく、その他のジャンルの発展も期待できます。
Apple社の動向に注目
iOSと密接な関係にある、Apple社の動向も注視していきましょう。
例えばApple社がSwiftを開発したように、今後も新たな言語を開発することもあり得ます。
フリーランスの場合は「誰かが情報を教えてくれる」ということがないため、自ら情報を仕入れ、対応しなければなりません。
したがってApple社の動向はこまめに見ておくべきです。

まとめ
ここまでフリーランスのiOSエンジニアについて、下記の内容を解説してきました。
- 案件の単価や年収はどのくらいなのか
- そもそもどうやって案件を見つけるのか、おすすめのエージェントはどこか
- 将来性のある職業なのか
iPhone等Apple製品の人気が続いているので、今後もiOSエンジニアの需要は高まっていくと考えられます。
Objective-CやSwiftの学習はもちろん、コミュニケーションスキルやマネジメントスキルも磨いていきましょう。
そして自分に合った方法を見つけて案件を獲得し、フリーランスとして活躍の幅を広げていってください。