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DAI
現役フリーランスエンジニア兼エンジニア採用も行っているDAIと申します
  • 現在正社員や派遣でエンジニアをしているけど、これからフリーランスになろうと思っている。
  • でも話を聞くと、独立のリスクなどが非常に大きそう
  • フリーランスエンジニアになったほうがいいのだろうか?やめといたほうがいいのだろうか?どんなリスクがあるのだろうか?

と思われる方も多いのではないでしょうか。

DAI
私自身フリーランスのエンジニアの経験があり、またフリーランスのエンジニア組織を運営してきた経験をもとに、フリーランスエンジニアの実態について徹底解説していきます。

目次 (PRも含まれます)

フリーランスエンジニアはやめたほうがいいと言われる理由

「フリーランスエンジニアになるのはやめたほうがいいよ~」とよく言われる理由について解説していきます。

DAI
この辺の理由は人によるので、あくまで参考にしてください

①高いスキルがなければ、継続的に案件を受注することは難しい

フリーランスエンジニアになった場合、発注元に求められるのは「即戦力」となるエンジニアです。

これが正社員のエンジニアと大きく異なる点となります。

例えば正社員のエンジニアとして採用する場合、多少知らないことや困った点があったとしても、会社全体で助けてくれたり、育成してくれたりすることが多いです。

それは会社自体が育成コストを払うことで、結果的にリターンがあるからです。

一方でフリーランスエンジニアの場合、契約自体も短期的なものが多く、また発注元も正社員とは異なり、育成や採用コストをかけずともすぐに活躍してくれるエンジニアを募集しています。

そのため、即戦力になれるようなスキルセットを持っていない場合、継続以前に内定すること自体が難しくなります

②収入が安定しづらい

フリーランスエンジニアの収入は、かなり安定しづらいです。理由としては以下の通りです。

  1. スキルによって契約が途中で終わる場合がある
  2. プロジェクトが終了すると、契約が終わる可能性がある

ここも正社員とは大きく異なる点です。

そもそも日本の正社員雇用は、どんな理由があっても雇用契約を一方的に解除することは原則できません。

そのため、スキルが合わなかったとしても、プロジェクトが終了したとしても、簡単に切れないのです。

一方でフリーランスの場合は、業務委託契約になります。準委任契約などでの契約の場合、契約期間が過ぎれば一方的に解雇されることも多々あります。

そのたびに新しい案件探しをする必要があり、その時間は無収入になるため収入が安定しづらいです。

③コードを書く以外にも、幅広い仕事をしなければならない

正社員でエンジニアをする場合、基本的にはコードを書くかマネジメントをするかどちらかの仕事をすると思います。

一方で、フリーランスのエンジニアになる場合、営業や経理など、今まで誰かがやってくれていた仕事をしなければいけません。

ごく一般的なものを上げると、以下のようなものになります。

  • 顧客の開拓【営業】
  • 時間単価の交渉【営業】
  • 業務委託契約書 / 秘密保持契約の作成【法務】
  • 先方から送られた契約書チェック【法務】
  • 請求書の発行【税務】
  • 確定申告【税務】
  • バックオフィス業務の外部依頼【採用】
DAI
この辺はある程度貯金ができてきたら外部の人にお任せしてもいいんですが、最初の段階では全部自分でやる必要があります。

コードを書きたくて独立したのに、気づいたら自分に不向きの仕事をしなければならなくなってしまって、正社員に戻るケースも結構ありますね。

④マネジメントなどの上流の経験が積みにくい

フリーランスエンジニアとして参画する場合、マネージャー(PdM)などがいて、その中で指示されたコードを書くパターンが多いです。そのため、マネジメントや設計などの上流の経験は積みにくい傾向があります。

実際ひたすらコードを書く仕事でも、年収500-600万円までは狙えるとは思うのですが、将来的に年収1,000万円以上を目指したい!となってくると、どうしても要件定義や開発マネジメント経験は求められます。

⑤社会的信用が下がる可能性が高い

フリーランスは職種に関わらず、会社に所属していないという事実だけで社会的信用が下がりやすい点があります。

フリーランスは収入が不安定になりやすいため、安定性の求められるクレジットカードやローンの審査に落ちる可能性も高くなります。

会社員時代より収入が低い時はもちろん、会社員時代以上に稼いでいる時でも同様です。

DAI
フリーランスとして活動するうえでは、審査に落ちる確率が上がる点を知っておきましょう。

フリーランスエンジニアとして後悔しないために気を付ける点

フリーランスエンジニアとして後悔しないために気を付ける点

フリーランスエンジニアとして、後悔せずに活動を続けるために気をつけたい点を3つご紹介します。

  • 新しいスキルを学び続けていく
  • 自己管理の徹底
  • 人脈を作り大切にしていく

順番に確認しましょう。

新しいスキルを学び続けていく

現在仕事で使用しているスキルはもちろん、新しく登場した技術の習得は重要です。

依頼を受ける時に「新しい技術に対応していない」と回答してしまうと、その場で案内が終了し、案件を受けられなくなる可能性があります。

常に案件に参加し続けるためには、どんな技術が流行っているのかを知っておく必要があります。

また、スキルや知識の量を増やすと対応できる案件の数が増え、企業からの信頼につながっていくでしょう。

さらに、レベルの高いスキルを習得できると、高単価な案件に関われる機会も増えていきます。

DAI
技術の移り変わりが激しい業界のため追いかけるのは大変ですが、勉強会やセミナーを活用して最新の情報を仕入れておきましょう。

自己管理の徹底

フリーランスエンジニアはコードを書くだけではなく、営業から税務など仕事に関する全てを1人で行う必要があります。

そのため、体調管理はもちろんスケジュール管理も、全て1人で行います。

納期はいつまでなのか、かかった費用はいくらなのかが管理できないと、信頼を失ってしまうでしょう。

特に納期遅れはクライアントからの印象が最悪となり、次回以降案件をもらえないといった事態もありえます。

また、気を付けるべき点として、自分の対応できる範囲以上の量を受注してしまい、キャパオーバーになってしまう可能性が挙げられます。

DAI
無理をして体調や他の業務に影響を出さないためにも、自己管理の徹底は重要です。

人脈を作り大切にしていく

フリーランスエンジニアの人が案件を探すためには、エージェント利用のほかに人からの紹介があります。

以前一緒に働いていた人や勉強会でつながった人など、人脈があるといろんな人から声をかけてもらいやすくなります。

仕事は原則1人で進めますが、1人だけで全てを行うのは難しいです。

情報交換など自身のスキルを上げるためにも、勉強会やセミナー、SNSなどで人脈を作り、大切にしましょう。

フリーランスエンジニアになるメリット

フリーランスエンジニアになるメリット

フリーランスとして活動するデメリットを見てきましたが、フリーランスエンジニアはやめておいたほうがいいのでしょうか?

DAI
結論、フリーランスエンジニアは様々なデメリットがありつつも、大きなメリットもあります。

①エンジニアの採用需要はここ数年伸び続けている

私もエンジニア採用に携わっているのですが、もうどこもエンジニア採用に力を入れています。

有名な大企業でさえ、待っているだけではエンジニア採用ができないので、まだ正社員のエンジニアさんにもスカウトを打ちまくっている状態です。

それでもエンジニアが採用できないので、フリーランスにまで幅を広げて採用を行っています。

エンジニアの採用需要は、今後も伸び続けることが予測されます。理由としてはコロナにより、DX需要が高まったり、産業全体がソフトウェア化していくことで、その仕組みを作るエンジニアが必要不可欠だからです。

DAI
そのため、フリーランスエンジニアでも、採用需要はかなり大きいです

②エンジニアは正社員よりも時間単価が上がりやすい

エンジニアは、独立したほうが時間単価が上がりやすいです。

理由として、これは日本あるあるなんですが、多くの企業はまだ年収テーブルが市場に合わない形で引かれていたりするからです。

DAI
特にSESの会社やSIerの会社さんとかだと多いイメージです

例えばなんですが、今経験年数が3年でRuby, Ruby on Rails, AWSなどのスキルセットがあって、設計やコードレビュー、開発マネジメントなどをしてきたAさんがあるSESの会社にいたとします。

このくらいのスキル感でフリーランスだと、週5日稼働で月単価70万円くらいはいくので、年商で考えると800-900万円くらいは余裕で目指せます。(ちなみにここから各種社会保険や税金などが引かれます。)

ただ、JTC(日本の伝統的な大企業)だと、エンジニアの評価制度が市場に沿っていないため、割と年功序列で年収400-500万円くらいになっているケースが多いです。

(ちなみにその結果、GAFAなどの外資系企業から、JTCのエンジニアは高い給与水準出されて転職しているケースが最近多いです。)

DAI
フリーランスだといい意味でも悪い意味でも市場に実力評価されるので、実力がある人は独立したほうが単価が上がりやすくなる傾向にあります。

③経費が使えるので納税額を削減できる

多分フリーランスになる一番のメリットは、これです。

フリーランスになると、経費が使えます。

とはいっても、独立したての僕はこう思っていました。

DAI
経費?なにそれ?おいしいの?

何がおいしいか簡単にお伝えすると、フリーランスになると納税額がかなり減らせます。

これ、どういうことか説明しますね。

まず、経費のない世界から見てみましょう。

正社員の場合って、年収によって税金が上がるんです。累進課税というのですが、例えば年収500万円の人と年収1,000万円の人では、年収にかかる税率が大きく異なります。

こちら国税庁からとってきたグラフになりますが、年収によって税率が大幅に変わります。

所得税の速算表
課税される所得金額 税率 控除額
1,000円 から 1,949,000円まで 5% 0円
1,950,000円 から 3,299,000円まで 10% 97,500円
3,300,000円 から 6,949,000円まで 20% 427,500円
6,950,000円 から 8,999,000円まで 23% 636,000円
9,000,000円 から 17,999,000円まで 33% 1,536,000円
18,000,000円 から 39,999,000円まで 40% 2,796,000円
40,000,000円 以上 45% 4,796,000円

参考)国税庁 所得税の税率

これ、どういうことかというと、例えば年収500万円の人は、税金を抜くと500-(500 * 20%) = 400万円しか手元に残らないんですよね。

で、年収500万円の人は、この感覚で年収1,000万円の人を見ると、「800万円も手元に残るのか~~いいな~」って思いがちなんですが、

年収1,000万円の人が実際に計算してみると、1,000 – (1,000 * 33%) = 670万円しか手元に残らないんです。

しかもこの金額からさらに所得税以外も引かれるわけですね。

DAI
つまり何が言いたいかというと、正社員であれば年収が上がれば上がるほど、税率が増えてしまうわけです。

「どうにかして所得税を減らしたい」と思った方に朗報です。そこで使えるのが経費です。

法人の場合の税金に関しては売上から、売上を作るために使った費用を引いた金額に対して、一定の税率がかけられます。

DAI
構造としてはほとんど所得税と一緒で、法人になると法人税なんて呼ばれたりします。

所得税と法人税では若干ルールが違います。

法人税の税率を見てみましょう。

こちらも、国税庁の法人税率のページからテーブルを引っ張ってきました。

区分 適用関係(開始事業年度)
平28.4.1以後 平30.4.1以後 平31.4.1以後
普通法人 資本金1億円以下の法人など(注1) 年800万円以下の部分 下記以外の法人 15% 15% 15%
適用除外事業者 19%(注2)
年800万円超の部分 23.40% 23.20% 23.20%
上記以外の普通法人 23.40% 23.20% 23.20%
協同組合等(注3) 年800万円以下の部分 15% 15% 15%
【16%】 【16%】 【16%】
年800万円超の部分 19% 19% 19%
【20%】 【20%】 【20%】
公益法人等 公益社団法人、公益財団法人または非営利型法人 収益事業から生じた所得 年800万円以下の部分 15% 15% 15%
年800万円超の部分 23.40% 23.20% 23.20%
公益法人等とみなされているもの(注4) 年800万円以下の部分 15% 15% 15%
年800万円超の部分 23.40% 23.20% 23.20%
上記以外の公益法人等 年800万円以下の部分 15% 15% 15%
年800万円超の部分 19% 19% 19%
人格のない社団等 年800万円以下の部分 15% 15% 15%
年800万円超の部分 23.40% 23.20% 23.20%
特定の医療法人
(注5)
年800万円以下の部分 下記以外の法人 15% 15% 15%
【16%】 【16%】 【16%】
適用除外事業者 19%(注6)
【20%(注6)】
年800万円超の部分 19% 19% 19%
【20%】 【20%】 【20%】

引用元)国税庁 -> 法人税

エンジニア業で独立する場合、ほとんどの場合が普通法人として法人化することを前提にすると、年商にかかわらずある程度法人税は固定されます。

DAI
個人だと年収が上がるにつれて、ぼったくりに近い比率の税金がかかりますが、法人税だとある程度の比率に落ち着きます。

さて、ようやくここで経費のすごさが説明できます。

実は今、年商1,500万円の人の場合の税率を説明しましたが、この年商1,500万に税率をかけると結構な額になっちゃいますよね。

反対に年商を1,000万とかにできたら、納税金額を減らせますよね。

DAI
これ、実は経費でできます

どういうことかというと、実は法人税って、売上からもろもろのコストを引いた金額に対してかけられるわけです。

例えば、以下のような支払いも全部経費にできるわけです。

  • 経理管理に使うソフトウェア利用料(Freeeなど)【販売管理費】
  • 技術書など【販売管理費】
  • パソコン
  • 人脈を広げるために行った会食の費用など【販売管理費】
  • 仕事をする際に利用する家賃【販売管理費】※もろもろの条件が整わないと難しいですが

なので、例えば年商1,500万円でも、上記のような経費に500万くらいかけたら、実質納税する法人税は1,000万円に対してかけられるわけですね。

DAI
個人事業主や社長が飲食店などで領収書をもらいたがるのは、こういう理由です。

なので、ある程度実力があり、年商が見込めるエンジニアの場合は独立するとより豊かになる可能性が高いわけです。

④自分の好きな仕事・プロジェクトを選べる

さらに、フリーランスエンジニアの場合、自分が参画したいプロジェクトを自分で選ぶことができます。

例えば正社員で働いていると、こんなことに悩むかもしれません。

  • 会社の技術スタックがレガシー過ぎる。令和なのにSubversionでソースコードの管理をしているし、なぜかPHPフレームワークは独自で作ってる。
  • React, Vueなどのフロントエンドフレームワークが出ているのに、いまだにjQueryでフロントを書いている。
  • 今働いている自社開発のプロジェクト、LaravelだけどRailsで書きたいな…

正社員の場合だとこういうことを思ったとしても、特別な理由やものすごい政治をしない限り達成できません。

一方でフリーランスの場合だと自分の条件にあった案件に応募できるので、例えばもっとモダンなフロントエンドの開発をしたいだったり、SESだったけど自社開発のPJに参画したいなど、融通を利かせやすいのも大きな魅力となります。

⑤自分の好きな人と働くことができる

正社員で働く場合、上司にパワハラ気質があったりすると、辞めさせたり異動させたりする力を持っていなければ、どうしても我慢して働かないといけないですよね。

フリーランスエンジニアの場合、案件を変えればよいだけなので、こういう問題は解決されやすいです。

⑥仕事を変えても職歴に傷がつかない

正社員の場合だと、数年で会社を辞めて次の会社に行く、みたいなことをしていると「この人継続できないんじゃないかな、、」と思われて、職歴に傷がつく場合があります。

一方で、フリーランスエンジニアの場合、数年でプロジェクトを離れることはよくあることなので、案件を替えてもそこまで職歴に傷がつきにくいです。

⑦フレキシブルに働きやすい

基本的に正社員で働く場合、所定労働時間8時間かつどんなにモダンでもコアタイムが設定されているため、日中に休むなどがしづらいです。

例えば急に子どもが熱を出して休まざるを得ない、みたいなことはやりづらくなります。

一方でフリーランスエンジニアだと、所定労働時間などは基本存在しないため、わりとフレキシブルに休みの時間を取ったりすることができます。

朝に弱い人、夜型で夜に仕事したい人なども、仕事を続けていきやすくなるでしょう。

フリーランスエンジニアに向いていない・きついと感じやすい人

フリーランスエンジニアに向いていない人

さて、ここまで読まれてフリーランスエンジニアいいかも、と思った人もいるかもしれませんね。

フリーランスエンジニアになったほうがいいかな?ならないほうがいいかな?と思っている人向けに、僕がフリーランスエンジニアの人と働いていて、独立したほうがいい人とそうではない人を複数見てきたのでその辺の知見についても共有します。

まずは、フリーランスエンジニアに向いていない・きついと感じやすい人を下記にてご紹介します。

①技術力が低い人

技術力が低い人は、悪いことは言わないので独立はやめておきましょう。以下に該当する場合、まず今いる会社で力をつけたほうがいいです。

  • 経験年数1年未満
  • 上司に技術仕様をめちゃくちゃ引いてもらわないと実装できない人
  • エラー修正もログを見て、原因見つけてテスト書いて、みたいなことができない人
  • コードレビューの経験がない人

上記スキルがないと、まず即戦力として働けません。会社のお荷物になってしまいます。

また、短期で契約を切られてしまうと、次の契約でも苦戦します。正社員での再雇用を考えてもスキル不足で中途枠は難しいですし、ポテンシャル枠でも結局ポテンシャルがないわけなので苦戦します。

DAI
スキルが低いうちは、今の会社にしがみついておいたほうがよいです。

②コミュニケーション能力が低い人

技術力があっても、コミュニケーション能力に難ありの人は独立はやめたほうがいいでしょう。

開発業務はもちろんのこと、社外の人とのやり取りも増えるため、コミュニケーション能力が欠けていると正社員よりも仕事の継続が相当厳しくなります。

③より上流工程へのスキルセットをつけたい人

前述しましたが、フリーランスエンジニアになると、手を動かす仕事を求められることが多いです。

マネジメントや採用、設計など、よりプロダクトの根幹に携わるには、かけられる時間やコミット量が大きい正社員に任されることが多くあります。

そのため、上流工程のスキルセットを身につけて将来的にはCTOになりたいです、みたいな人はあまりお勧めしません。

④自己管理が難しい人

後悔しないために気を付ける点でも触れましたが、フリーランスは自己管理が重要です。

納期や他の案件とのスケジュール管理のほか、営業・報酬・税務などの情報を全て自分で管理しなければなりません。

いつまでに何を終わらせるべきか、今どの程度の業務を持っているのかといった管理をできない人が、フリーランスとして活動を続けるのは難しくなってしまいます。

計画を立てる・計画通りに進める・問題があったときに、柔軟に計画を変更して対応するといった行動が苦手な人は向いていないでしょう。

フリーランスエンジニアに向いている人

フリーランスエンジニアに向いている人

フリーランスエンジニアに向いている人は、以下の通りです。

①今の会社の評価より本当は評価されるべきスキルを持った人

あなたへの技術的評価が低い場合、独立したほうが年収も上がります。

また、年収が高いポジションで仕事をする場合、同僚のスキルも上がるため、技術者としてレベルの高い環境で働きやすいです。

②どうしてもフレキシブルな働き方をせざるを得ない人

例えば1日8時間、週5日労働ができない特別な事情がある人は、フリーランスエンジニアに向いています。

例えば僕自身は0歳の子育てがあるのですが、5時に保育園への送り迎えにいかなければなりません。

普通の正社員で働く場合は時短で働かざるを得ませんが、フリーランスの場合は基本いつ働いても問題ないケースが多いので、そういう状況だとかなりフレキシブルに働けます。

③孤独耐性が強いこと

フリーランスになると、どうしても一人で仕事をする時間が増えます。

また、利害をともにする人が減ります。

そうすると、かなり孤独な状況で仕事せざるを得ません。そうなったときに、周りに人がいないとしんどいタイプの人はフリーランスに向かないでしょう。

逆に人となるべく話したくなく、チャットで完結するコミュニケーションをしたい方、プライベートと仕事をきっちり分けたい方などは、フリーランスに向いていると思います。

フリーランスエンジニアに未経験からなれるのか?

フリーランスエンジニアに未経験からなれるのか?

結論からいうと、なれなくもないです。

しかし、仕事を取るためにはスキルが必要となります。

  • 最低限の実装スキル
  • 営業や発信をして顧客を獲得できる

この2つがあれば、一応は案件を受注することはできなくありません。

DAI
ですが、未経験からフリーランスのエンジニアになるべきか?というと、やめておいたほうがいいと思います。

なぜフリーランスエンジニアになるべきではないか?

なぜフリーランスエンジニアになるべきではないか?

僕自身、完全独学で案件を受託して、実質フリーランスエンジニア?がやっていることをやってしまったのですが、その時に「いきなり未経験からフリーランスエンジニアになるべきではない!」と思いました。

DAI
そう思ったのは、以下の4つの理由です
  1. コードレビューをしてくれる人がいないため、エンジニアとしてスキルアップできない
  2. 既存サービスのコードを見る機会がないため、より効率的なコードの書き方を学ぶことができない
  3. コードの品質が低いまま納品するリスク
  4. 仕事が途絶えるリスク

それぞれを詳しく見ていきましょう。

①コードレビューをしてくれる人がいないため、エンジニアとしてスキルアップできない

まず、エンジニアの成長に一番重要なのが、開発効率を下げるような「クソコード」を書かないために、しっかりとしたコードレビューを受けることだと思います。

しかし、未経験から全部独学で案件を受託する場合、コードレビューをしてくれる人がいない状態で仕事をすることになります

DAI
つまり、未経験から仕事をすると、成長可能性が低くなってしまいます。

②既存サービスのコードを見る機会がないため、より効率的なコードの書き方を学ぶことができない

未経験からフリーランスでエンジニアをやっていると、基本的にWebサービスのソースコードを読む経験がありません。

例えば、Twitterログインを行うようなWebサービスを作る場合に、どのように実装するべきかなどは、既存サービスのコードを読むことで学習することができます。

ですが、独学かつフリーランスで受託を行っていると、どうしてもそのような機会を得られません。

DAI
本来あるはずの、既存のソースコードを読んで学習できる機会がゼロに近くなります。そのため、エンジニアとしてスキルアップするための機会が減ってしまいます。

③品質が低いまま納品するリスク

①、②に関係しますが、コードの品質が担保できないまま仕事をすることになるので、品質が低いまま納品するリスクが常にあります。

DAI
万が一バグが起こったり、想定外のエラーがでてクライアントが困っても、解決する方法がないのは、非常に大きなリスクになります。

④仕事が途絶えるリスク

未経験でスキルもなく、人脈もない、そんなフリーランスエンジニアは、常に仕事が途絶えるリスクと隣り合わせです。

DAI
就職した際の人脈などもなく、品質の低いサービスを納品したらいい評判が生まれるわけもなく、仕事が途絶えるリスクがどんどん上がっていきます。

これらの理由から、未経験からWebエンジニアのフリーランスになることは、おすすめできません。

未経験からフリーランスエンジニアになるには

未経験からフリーランスエンジニアになるには

「そんな夢も希望もない話をしないで欲しい!」という人もいると思うので、ではどうやったらフリーランスのエンジニアになれるのかを解説します。

この場合、以下の2つによって内容が変わります。

  1. Web系のエンジニアを目指す場合
  2. Web制作系のコーダーを目指す場合

それぞれわけて解説しますね。

Web系エンジニアを目指す場合

Web系のエンジニアを目指す場合です。

Web系のエンジニアは簡単に説明すると、下記のようになります。

  • PHP, Ruby, JavaScriptなどのサーバーサイド言語、フレームワークに加えて、基礎的なフロントのスキル(HTML / CSS )などが理解でき、またデータベースアーキテクチャの設計、インフラへの理解、LINUXコマンド、GITなどのバージョン管理システムを扱えるようなエンジニア
DAI
いわゆる、フリーランスエンジニアとして、みなさんがイメージするものとなります。

この手の仕事をフリーランスで受ける場合、よっぽどのことがない限りは未経験からでは無理でしょう。

そのため、フリーランスになるには主に以下のフローで進めることになります。

  1. 一度就職してエンジニアとしての実務経験を得る
  2. 独立する

ここで、1点注意です!

DAI
未経験からWeb系フリーランスエンジニアになれる!と謳っているスクールはだいたい嘘です。

理由は、すでに解説した通りです。

また、未経験の人にフリーランスとして案件を任せる会社もありません。

DAI
自身も会社をやっていますが、実務未経験の人に開発の仕事を任せるのは怖すぎるので、任せることはありません。

Web制作系のエンジニアを目指す場合

次に、Web制作系のエンジニアを目指す場合です。

DAI
人によっては、Web制作系のエンジニアは「エンジニアではない」という人もいます。なので今回は、「コーダー」という言葉で説明しますね。

Web制作系のコーダーに必要なスキルセットは、下記のような内容です。

  • Webサイトのマークアップをする仕事。HTML / CSSなどを理解していて、デザイナーが設計したデザインカンプを基に、HTML/CSS/JavaScriptでWebサイトをマークアップすることがメインの仕事
  • 場合によってはWordPressなどのCMSのテンプレート作成なども行う
DAI
Web系エンジニアのスキルセットと比較すると、全く別のスキルセットとなります。

Web制作系のコーダーを目指す場合は、未経験からでもフリーランスとして案件を獲得することは可能です。

DAI
ただし、単純に技術だけで単価を上げることは相当難しいでしょう。

スキルだけで案件を獲得しようとすると、クラウドソーシングサイトでは1案件あたり1-2万円程度のお金にしかなりません。

また、一つ当たりの制作コストが5日かかるとしても、月の売上は6-12万円程度にしかなりません。

DAI
ですので、全く儲かりません。

一方でWeb制作系のコーダーを未経験からはじめて、フリーランスで活躍する人は、周辺のスキルを身につけている人が多いです。

周辺のスキルとは例えば、以下のようなものを指します。

  • Webデザイン
  • 営業
  • プロジェクトマネジメント

より上流に位置する仕事から実装まで一貫していくことにより、案件単価を上げていく人もいます。

DAI
とはいえ、個人的には独学でフリーランスになるよりも、会社で一度実務経験を得た方がよいと思います。

フリーランスエンジニアに求められるスキルセットを理解するためには?

フリーランスエンジニアに求められるスキルセットを理解するためには?

フリーランスエンジニアになりたい人の多くが、「どのレベルまでスキルを身につければ案件が獲得できるか理解できていない」ことがほとんどです。

DAI
理解するためにおすすめなのは、フリーランスの求人サイトで実際に案件の相場を見てみることです。

こちらは、とあるフリーランスエージェントのフリマアプリの求人にある、Web系エンジニアの必須要件です。

DAI
必須要件とは、その仕事で求められる最低限必要な経験、スキルです。これがないと仕事を受けられません。
  • Go、Node.js、Pythonいずれかでの開発経験2年以上
  • バックエンドを含むアプリケーションの開発経験3年以上
  • DB(RDB、NoSQLなど)におけるスキーマの設計、効率的なクエリ作成経験
  • クラウド(AWS、GCP、Azureなど)環境の利用経験

このように、「開発経験2年以上」といった、実務経験を求められることが多いです。

ですので、このような案件を受託するためには、必ず実務経験を得る必要があるということですね。

続いて、こちらがとあるフリーランスエージェントのWeb制作系コーダーの必須要件です。

  • HTML,CSS,Javascriptの実務経験2年以上
  • Web制作のご経験
DAI
このように直請けではない限り、コーダーでも実務経験2年以上などが求められます。そのため、フリーランスになった時の求人から逆算しても、一度実務経験が得られるような企業に就職したほうがよいです。

エンジニアのフリーランスとして独立する人からよくある質問

エンジニアのフリーランスへ独立する方からよくある質問

ここからは、よくある質問について回答したいと思います。

Q1.「 フリーランスエンジニアになって後悔したくないです。やっておくべきこと、知っておくべきことはなんですか?」

この記事でも解説しましたが、一番避けるべきなのは2つです。

  • ロースキルのまま独立
  • フリーランスになっても案件の契約ができない / できてもすぐに契約破棄になる

こういったルートは、フリーランスになった時に詰みやすいです。

DAI
個人的にはフリーランスになる前に、エンジニアとして部分的に副業などで手伝って、ちゃんと社外で通用することがわかってから独立したほうがいいかなと思っています。

あとは、貯金が全くないまま独立すると、「今すぐ儲かる簡単なロースキル案件」をやらざるを得なくなるので、貯金は最低でも12ヶ月くらいは働かなくても済むくらいの金額があるとよいですね。

Q2. フリーランスエンジニアになったとしたら、今の年収と比べてどれくらい上がる/下がるのか知るにはどうしたらいいですか?

やるべきこととしては、まずは自分の市場価値の把握です。

市場価値とは、下記のような情報から判断されます。

  • 業務経験
  • スキルセット
  • 年齢

情報をもとに、自分が独立した時にどれくらいの時間単価になるのか知っておくべきですね。

例えば自分の時間単価が、実は5,000円くらいだったとしましょう。

簡単に計算すると、1日 (=5,000円 * 8時間) * 245日(営業日) =980万円となります。

ここから個人事業主だとすると、各種税金などが引かれるイメージです。

とはいえ、税金などはコントロールできない変数なので、まずは自分の市場価値をフリーランスエージェントなどを利用して、査定してもらうのが良いかと思います。

DAI
最近だとフリーランスエージェントでも、副業の案件などが増えているので、まずはそこから試してみてもよいかもしれませんね。

ちなみにフリーランスエージェントだと、マージンを取られるのですが、実務経験5年以上あれば、だいたいはマージン抜きで4,000-5,000円くらいになります。

Q3. フリーランスエンジニアとして独立した際に、仕事がきつくなってしまうような闇の側面はありますか?

今まで僕が体験+採用をしていて見た点として、以下の点は気を付けておくと良いと思います。

  1. 時間単価で提示された金額が内税 / 外税か事前に協議できず、思っていたよりも低い金額で受注することになってしまった。
  2. フリーランスエージェントのSES経由で案件を受注したが、実はマージンが半分以上抜かれていて単価が低かった。

Q4. フリーランスエンジニアになって楽しいですか?

これは僕自身の経験ではないのですが、フリーランスエンジニアは以下の点で楽しいと思います。

  1. 身につけたい技術/深めたい技術がある場合、自分である程度その案件を受けられるので、スキル開発などは楽しい。
  2. コーディング以外でも、もっといろんな(マーケティング、営業、経理)学ぶべき内容があるので、知的好奇心が高い人には面白い。
  3. 正社員では入社できないようなメガベンチャーなども、業務委託だと入社できるケースがある。そういう場所で働くのは、自分の技術力を上げたりするうえでもよい。

Q5. フリーランスエンジニアの寿命は?50代、60代でも働けますか?

年齢は結構気になるところだと思いますが、結論50-60代でも採用している企業はあります。

ただし、僕自身がフリーランスエージェント経由で聞いた話だと、多くの企業が敬遠されているそうです。

なので、もし独立する場合はエージェントには一応登録しつつ、自社応募とか、クラウドソーシングで匿名で案件を受注するとかが良いかなと思います。

あとは、例えばCobolしか書いてきませんでした、という50-60代だと、スキルセット的に受け入れてくれる会社が少ないと思うので、なるべくモダンなスキルのキャッチアップをしておくと良いと思います。

Q6. フリーランスが増えすぎていると聞いています。自分が独立したとしても仕事はあるのでしょうか?

余裕であります。

フリーランス人口が増えること=エンジニア人口が増えることとは一致しません。

さらに、エンジニアの供給よりエンジニアが必要な会社の需要の方が圧倒的に多いのが現状の採用市場なので、そこは心配する必要はないと思います。

Q7. 案件を探す時はフリーランスエージェントを利用した方がいいですか?

人によります。

すでに知り合いで、あなたのことをよく知っていて、スキルも正当に評価してくれて、報酬も市場相応の金額で出してくれる会社があるなら、使わなくてもいいかと思います。

そうじゃない人はフリーランスエージェントから仕事を受注するかどうかは置いておいて、市場感を把握するうえでもフリーランスエージェントは使っておいた方がいいと思います。

だいたい自分にどれくらいの金額でどれくらいオファーが来るのか等把握しないまま、低い単価で案件を受けるのはもったいないですからね。

まとめ

まとめ

結局、フリーランスになるべき?それともならないべき?どっちなんだい~~~?と思われた人もいるかと思います。

結論、スキルがあって何かしら事情あるなら独立すべきですし、ノースキルであるなら独立はやめておいたほうがいいです。

あとは自分がどうしたいか次第かと思うので、上記のメリットデメリットを整理したうえで、考えてみるといいかもしれません。

自分のスキルが市場的に高いか低いかようわからん、って人は、フリーランスエージェントなどのサービスを利用してみましょう。

  • 職務経歴書
  • スキルシート

上記のような書類の作成を手伝ってくれて、さらにあなたのレベル感を客観的にアドバイスしてくれるので、独立する前に利用してみてもいいかもしれません。

参考記事

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