【最新】SAPエンジニアの副業事情?案件の取り方や注意点を徹底解説
現職のSAPエンジニアなどSAPの知識がある人は、「SAPの副業が気になる」という方も多いのではないでしょうか。


現在、SAPは日本国内の4,000以上の企業で導入されています。
需要に比べてSAPエンジニアの数はまだまだ少なく、売り手市場です。
今後ますます高まっていく需要に応えるため、今のうちから副業でスキルや経験を身につけておいて損はありません。
副業案件の報酬は、SAP経験1年以上の場合、1案件あたり10万円台からスタートすることが多いです。
年数とスキルに応じて報酬は上がっていき、最高で200万円までアップする可能性もあります。


今回はSAPエンジニアの将来性が高い理由や具体的な案件例、おすすめエージェントについて紹介します。
副業でキャリアアップするための、一歩を踏み出せるような内容になっているので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
副業SAPエンジニアの需要について


副業・フリーランスエンジニアのマッチングサービスを行う「株式会社Brocante」は、IT副業人材の活用状況について、以下の調査結果を発表しました。
(PR TIMES「企業のIT副業人材の活用実態調査」 2021年版を公開 より引用)
この発表によると、調査対象の企業のうち40.4%が、IT副業人材を活用していることがわかります。

企業が社外のSAPエンジニアに業務を依頼することを「業務委託」といいます。
企業側にとって、業務委託は以下のようなメリットがあるのです。
①募集から採用までにかかる期間が短い
正社員でエンジニアを募集しようとすると、綿密な選考を行わなければならないため、時間やコストがかかるもの。
案件単位で副業エンジニアに業務委託をしたほうが、募集から採用までにかかる期間が短く、すぐに業務に入ってもらえるというメリットがあります。
②採用の幅が広がり、専門的なスキルを活用できる
効率よく業務委託エンジニアを採用すれば、さまざまな人材に業務を委託できます。
自社内でエンジニアが不足していても、専門的なスキルや知識を持った人材に依頼できる確率が上がるのです。
③人件費を効率よく調節できる
閑散期や繁忙期など、業務量が時期によって変動することも。
そういう場合は繁忙期だけ副業エンジニアに業務委託するなどして、人員を調節できます。
企業にとっては、人件費の節約にもつながるというメリットがあります。

SAPの副業案件数
エンジニアの募集案件が多いWantedlyで、SAPエンジニアの案件数を調べたところ、約65件の募集がありました。
前述の通り、SAPエンジニアはこれからも需要が高まっていきます。
そんな背景もあり、業務委託エンジニアの採用に注力する企業が増加すると考えられます。

SAPの案件は在宅・リモート対応も豊富
近年のリモートワーク需要とあいまって、SAPエンジニアの在宅案件やリモート案件も増えています。
実際にIndeedで業務委託のリモート案件を検索したところ、371件がヒットしました(2022年4月時点)。
在宅やリモートOKの案件なら、通勤に時間を割かなくていい分、スケジュールの調節がしやすくなります。
案件を効率よく受注できれば、大幅なスキルアップや収入アップも期待できます。

SAPの副業案件の案件例
SAPの副業案件と一口に言っても、案件の種類はさまざまです。
この章では、具体的にどのような副業案件があるのか解説します。
(案件内容は2022年4月時点の情報です。現在は公開終了している場合があります)
保守運用支援
「保守運用支援」はシステムを安定的、かつ効率的に稼働させるために、以下のような業務を行います。
- 問い合わせ対応
- システム環境の監視
- バグ、不具合、障害などの原因究明、修正対応
- バグ等の再発防止のための施策、提案
- システムアップデート
- データバックアップ

具体的な案件例は下記の通りです。
引用:ハイパフォコンサル
ABAP開発
ABAP(アバップ)とは、SAP ERP開発でのみ使用されるプログラミング言語です。
ABAPを使って実装できる機能としては、大きく分けて以下の3つあります。
- レポート:データの収集と出力を目的とするプログラム
- バッチインプット:「バッチ処理」と呼ばれる、大量のデータを一気に処理するプログラム
- Dynpro:SAPのGUIを用いて、ユーザーが対話型でシステムを利用するための画面全般
ABAPエンジニアの仕事内容は、主にアドオン開発やカスタマイズです。
その他、運用保守業務でもABAPを使用する場面があります。
Javaなどのプログラミング言語と違い、SAPでしか使用されない言語なので、実務レベルで使えるエンジニアが少ないのが現状です。

具体的な案件例は下記の通りです。
引用:ギークスジョブ
PMO
PMOとは、PM(プロジェクトマネージャー)を支援するポジションです。
PMOの役割としては、以下の3つに分けられます。
- PMOアドミニストレーター:プロジェクトを円滑に進めるための業務を行う。データ収集や書類作成、プロジェクトメンバーの稼働状況の確認、分析など。
- PMOエキスパート:プロジェクトを遂行するうえで、環境構築や社内プロセス・ルールの策定を行う。作業の品質を標準化するための役割。
- PMOマネージャー:PMOメンバーのマネジメントを行う。
PMOの副業はあまり馴染みがないかもしれませんが、実はPMOの副業案件も近年増加しているのです。
前述した株式会社Brocanteの「企業のIT副業人材の活用実態調査」では、企業がIT副業人材に依頼している職種も明らかになっています。
引用:PR TIMES「企業のIT副業人材の活用実態調査」 2021年版を公開
エンジニアやデザイナーに次いで、PMOが4位と上位に来ています。
SAP ERPに関するプロジェクトは今後ますます増えるので、PMOの需要も高まっていくと考えられます。
週2~3日から稼働できるPMOの案件もあるため、PMOとして副業することを視野に入れるのもおすすめです。
具体的な案件例は以下の通りです。
必須スキル・経験 | PMO経験 |
月想定稼働時間 | 80時間~180時間/月 |
契約形態 | 準委任契約・委任契約 |
案件内容(例) | ◇システムの開発プロジェクトPMO ◇街区開発プロジェクトにおけるプロジェクト推進支援 ◇SAP S/4 hanaのグローバルロールアウトの構想策定・要件定義 ◇新お届けサービス開発PMO支援 ◇電力会社での大規模システム開発支援 等 |
働き方 | フルリモート |
引用:Indeed

興味のあるポジションで求人を検索し、具体的な仕事内容についてリサーチしてみてください。
SAPエンジニアが副業をするメリット
SAPエンジニアが副業をするメリットは、次の2点です。
- さまざまな案件に関われる
- 人脈が広がる
順番に見ていきましょう。
さまざまな案件に関われる
副業でさまざまな案件に関わることで、各モジュールに関する知識や経験が増やせます。
SAPには各業務の機能をまとめた「モジュール」があり、モジュール同士が連携することにより、情報の一元化を図っているのです。

対応できるモジュールが多いほど、キャリアアップや収入アップを目指せます。
また各業界の知識も深まるため、活躍の場が広がるという利点も。

人脈が広がる
副業でさまざまな案件に携わっておけば、担当したクライアントや、知り合った他のエンジニアから別の仕事を紹介してもらえることがあります。

また企業によってはリファラル制度(知人から案件を紹介してもらう方法)を設けているため、別案件に参画できる可能性もあるのです。
SAPエンジニアの人材は、慢性的に不足しています。
しかし、「できれば信頼できるエンジニアに依頼したい」というのが企業側の心理です。
副業を通じて人脈と信頼関係を築いておけば、情報収集や別案件の獲得の助けになります。

SAPの副業案件の取り方
実際に副業案件を獲得するには、下記3つの方法があります。
- エージェントを使う
- 企業に直接営業する
- WantedlyやWorkshipなどのSNSで営業する
1つずつ解説します。
エージェントを使う
1つ目は副業案件を紹介しているエージェントを使う方法です。
エージェントとは、専属のキャリアアドバイザーが求職者の経歴や希望をヒアリングし、最適な案件を紹介してくれるサービスのこと。
自分で探すよりも要望にマッチした副業案件が見つかりやすいので、能力を発揮できる環境で働けます。
またエージェントを介して報酬や条件の交渉ができるため、報酬アップを狙いやすいのもポイント。

SAPエンジニアの副業でおすすめのエージェントを後述していますので、ぜひチェックしてみてください。
企業に直接営業する
企業に直接営業する方法もあります。
企業にメールや電話で営業をし、仕事の獲得を目指します。
働いてみたい企業やプロジェクトが決まっている場合や、営業力を身につけたい人におすすめです。
ただし直営業する際は、企業が求める人材に自分が当てはまっていることをアピールしなければなりません。
経歴やスキルが一目で伝わるようなポートフォリオを用意し、「自分を採用することでどんなメリットがあるか」を伝えられるようにしましょう。
WantedlyやWorkshipなどのSNSで営業する
3つ目はSNSで営業する方法です。
たとえばビジネスSNSであるWantedlyでは、企業とマッチングすると、メッセージのやり取りや面談ができるようになっています。
カジュアルな雰囲気で業務内容や今後のキャリアについて話せるので、「まずは方向性が合うか確かめてから決めたい」という方におすすめです。
あわせて、ビジネスマッチングサービスであるWorkshipも活用すると良いです。

SAPの副業案件探しにおすすめのエージェント
前述した通り、SAPの副業案件を効率良く探すなら、エージェントの利用がおすすめです。
求人サイトには掲載されていない非公開案件もあり、より条件や報酬の良いプロジェクトに参画できる可能性があります。
SAPの副業案件探しにおすすめのエージェントは、以下の2つです。
- ITプロパートナーズ
- ギークスジョブ
順番に見ていきましょう。
ITプロパートナーズ
公式サイト:https://itpropartners.com/

運営会社 | 株式会社Hajimari |
公開求人数 | 4,979件 |
平均単価 | – |
マージン率 | 非公開 |
対応地域 | 全国 |
働き方 | 週1~2日から稼働OK、リモートワークOKな案件が豊富 |
※2022年4月時点・公式ページより引用/算出(公式:https://itpropartners.com/)
ITプロパートナーズの主な特徴としては、以下の3つがあります。
- 『直請案件』だからこその高単価
- リモート、週1~2日から稼働OKの案件多数
- エンジニア、デザイナー、マーケターの案件多数
『直請案件』だからこその高単価
ITプロパートナーズ公式サイトより引用(https://itpropartners.com/)
ITプロパートナーズで取り扱っている案件の単価は、『直請案件』が多く他のエージェントと比較しても高い傾向にあります。
※直請案件とは、間に仲介会社を挟まず、直接クライアントと契約している案件のことを指します。
正直、ほとんどの副業・フリーランスエージェントがマージン率を公開していないため、エンジニアの取り分や単価がいいのかを事前に知ることが難しいのが現状です。

マージン率が非公開でブラックボックス化しているからこそ、過剰な報酬の中抜きが発生していないIT プロパートナーズは魅力的です。
リモート、週1~2日から稼働OKの案件多数
ITプロパートナーズ公式サイトより引用(公式:https://itpropartners.com/)
ITプロパートナーズの大きな魅力として、週1~2日から稼働OKの案件が多いという点があります。
実際、他の副業・フリーランスエージェントでは、最低稼働日数は週3・4日〜の案件が一般的で、多くは常駐案件です。
ITプロパートナーズは週1~2日〜稼働OKの案件やリモートの案件が多数。
「SAPエンジニアとして副業を始めてみたい」という方必見のエージェントです。

ギークスジョブ
公式サイト:https://geechs-job.com/

運営会社 | ギークス株式会社 |
公開求人数 | 2,146件 |
利用者平均年収 | 820万円以上 |
マージン率 | 非公開 |
対応地域 | 東京・神奈川・大阪・愛知・福岡 |
働き方 | 週3~、リモート案件少ない |
公式ページ:https://geechs-job.com/
※2022年4月時点・公式ページより引用/算出
『ギークスジョブ』は、15年以上のフリーランス支援実績をもつ大手フリーランスエージェントです。
ギークスジョブの大きな特徴は、1人のワーカーに対して3人のコンサルタントが就く点。
- 案件紹介のコンサルタント
- 企業と交渉することに長けたコンサルタント
- アフターサービスのコンサルタント
それぞれのシーンで専門のコンサルタントがサポートしてくれるので、駆け出しフリーランスの方でも安心してフリーランスの働き方に慣れることができます。
またギークスジョブでは勉強会・懇親会を定期的に開催しています。
人脈を広げるためにも、積極的に活用し、情報収集してみましょう。

公式サイト:https://geechs-job.com/

SAPエンジニアが副業する際の注意点
収入やスキル・経験を増やせるという点でメリットの多い副業ですが、次のような注意点もあります。
- 本業と副業のバランスに注意
- 本業の競合企業とは取引しない
- 報酬が20万円を超えたら確定申告をする
1つずつ解説します。
本業と副業のバランスに注意
副業は本業の終業後や、土日に行うのが一般的です。
副業をする余裕がないほど本業が忙しい人は、注意しなければなりません。
下記のような状況に陥る可能性があるからです。
- 副業を入れすぎて本業がおろそかになる
- 無理に副業案件を入れてしまい、結果が出せない
時間を捻出したり、忙しくても入れそうな案件に絞ったりして、時間を効率良く使うことをおすすめします。

本業の競合企業とは取引しない
本業が副業OKの企業だったとしても、競合企業と取引しないように注意する必要があります。
同業他社など本業の競合企業と取引してしまうと、利益相反となり、本業の企業に不利益を与えてしまう可能性があるのです。

報酬が20万円を超えたら確定申告をする
副業の所得が20万円を超えたら、必ず確定申告をしましょう。
副業をするなら、税金面も気をつけなければなりません。
所得は収入から経費を引いた金額です。
確定申告は複雑なイメージがあるかもしれませんが、今は決算書作成ソフトなどを使って手軽に作成できます。
副業SAPエンジニアが身につけたいスキル
SAPエンジニアが副業を始めるときに身につけたいスキルは、下記の2つです。
- SAP・ABAP周りのスキル
- 複数のモジュール開発に対応できるスキル
1つずつご紹介します。
SAP・ABAP周りのスキル
当然ながらSAPに関する知識やスキルは必要です。
特にSAPの開発言語であるABAPは、SAPのみで使用する言語のため、使えるエンジニアがまだまだ少ない状況にあります。

ABAPの知識がないという人はWebサイトや書籍、eラーニングなど、自分に合った方法で勉強するのがおすすめです。
複数のモジュール開発に対応できるスキル
前述した通り、SAPには各業務の機能が集約されたモジュールがあります。
もちろん1つのモジュールに特化するのも良いです。
しかし、将来性を考えるなら、複数のモジュール開発に対応できるスキルを身につけておくことをおすすめします。

副業SAPエンジニアの将来性


- SAPの「2025年問題」で需要が伸びる可能性あり
- SAPエンジニアは圧倒的な人手不足
順番に解説します。
SAPの「2025年問題」で需要が伸びる可能性あり
冒頭で解説した通り、日本国内でSAPを導入している企業は4,000以上にのぼります。
しかし、SAPは現行システムのリアルタイム性欠如や、システムの肥大化などを解消するため、「SAP ERPのサポートを2025年に終了する」と発表しました。

2025年問題に対応が必要な企業は、約2,000社にものぼるといわれており、その多くが新製品であるSAP S/4HANAへの移行を検討中です。
2027年までに、SAPエンジニアの需要が一気に高まることが予想されます。
さらに2025年問題だけでなく、グローバル化によってSAP導入を検討する企業が増加する可能性が高いです。

SAPエンジニアは圧倒的な人手不足
日本国内のSAPエンジニアは、まだまだ数が少ない状況です。
一般的なエンジニアと違い、SAPエンジニアはABAPやトランザクションコードなど、SAP独自の知識が必要だからです。
2025年問題を受けてこれだけ需要があるにもかかわらず、SAPエンジニアの人材が不足しているので、売り手市場にあるといえます。
副業を始めたいSAPエンジニアにとって有利な状況なのです。
そのため需要の高まりに備え、今からSAPのスキルや経験をなるべく多く身につけておく必要があります。

まとめ
SAPエンジニアの副業について解説しました。
SAPエンジニアは需要が高いので、将来性が期待できる職種です。
収入アップやスキルアップのため、副業を始めることをおすすめします。
副業未経験だとわからないことも多く、不安もあるでしょう。
そういう場合は、以下のようなエージェントに登録し、サポートを受けてみてください。
