QAエンジニアの平均年収は?年収アップの方法についても解説
- QAエンジニアの平均年収はいくら?
- QAエンジニアの年収を上げるにはどうすればいい?
- QAエンジニアとしてキャリアを伸ばすには?
結論からいえば、QAエンジニアの年収はさまざまな事情によって大きく変わります。例えば、務めている企業の給与レンジや、未経験か経験者採用かなど、企業や勤務している人の経験によっても変わるのです。
そこで今回は、QAエンジニアの年収について、さまざまな条件を考慮して解説をします。また、年収を上げる方法や、キャリアアップのポイントについても解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
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QAエンジニアの平均年収
ここでは、QAエンジニアの平均年収について解説をしています。
QAエンジニア未経験者の平均年収
未経験からQAエンジニアを目指す場合は、平均年収250万円〜350万円程度が相場です。QAエンジニアに未経験で入社する場合は、勤務先として2タイプの会社に分けられます。
- チェックリスト通りにテストを行ってもらう枠を提供する会社
- QAエンジニアとして育成を前提に採用する会社
前者の「チェックリスト通りにテストを行ってもらう枠を提供する会社」の場合は、給与はあまり上がらないのではないかと思われます。その理由は、チェックリストどおりにテストを行う業務は誰でも簡単にできるため、未経験からでも仕事に就くのは難しくありません。スキルアップが見込めない職場では、給与を上げる必要がないと考えられます。
一方で、新卒社員の育成に力を入れている企業や、人材教育に積極的に投資している企業では、経験を重ねていけば年収500万円~600万円を目指せる可能性もあります。
本来、QAエンジニアは繰り返しのテストを行うだけの職種ではありません。システムの仕組みを理解したうえで、どのようなテストが必要なのかを考え、製品のリリースまでに計画的にテストを実施することが役割です。QAエンジニアが正常に機能しなければ、製品のリリース後に大きなトラブルにつながり、企業が損害を被るケースもあるでしょう。
QAエンジニアとして年収を高めたい場合は、ただテストを繰り返すような職場ではなく、QAエンジニアとして自発的に行動ができる会社wお選ぶとよいでしょう。
QAエンジニア経験者の平均年収
QAエンジニアとして経験のある正社員の平均年収は、厚生労働省が運営する「job tag」によると約550万円ほどとされています。企業によって経験者の年収にはばらつきがありますが、以下のような経験があると年収が上がる可能性が高いでしょう。
- テストケースの追加・改善
- テスト計画を作成
- 自動テストを導入し
- テストエンジニアのマネジメント
そのような能力や継続年数が長くスキルを持っていると、年収600万円~900万円を目指すことができます。優秀なQAエンジニアやQAマネージャーになれる人材は少ないため、そのレベルに到達すれば十分な収入が期待できるでしょう。
フリーランスQAエンジニアの平均年収
フリーランスのQAエンジニアの場合は案件によって収入に幅がありますが、一般的に月収45万円~75万円ほどが見込めます。しかし、フリーランスで目標とする月収を得るにはQAエンジニアとしての経験が不可欠です。テスト計画や品質保証業務などの経験があれば、正社員以上の年収が見込めます。
また、フリーランスの領域ではQAエンジニアの需要がとても高いです。そのため、QAエンジニアの実務経験がある人は、フリーランスとして挑戦してみるのもいいでしょう。
QAエンジニアの仕事内容
「品質保証」といっても、QAエンジニアには様々な業務があります。
特に、エンジニアとして年収を高めていきたい場合は、単にテスト実行するだけではなく、どのようなテストしたらよいのかを考えられるQAエンジニアになることが重要です。
ここでは、QAエンジニアの業務について具体的に説明します。
テストケースの作成
サービスの品質を確保する際は、まずテストケースを作成します。テストケースとは特定のユーザー入力したときに、期待する結果が得られたことをまとめたドキュメントのことです。
文章の説明だけでは難しい可能性があるので、実際にある会員制アプリのログイン機能のテストケースを例に説明します。
【テスト】
- 正しいIDとパスワードを入力した時に、ログインできること
【手順】
- https://example.com/loginにアクセスする
- ログインフィールドに以下の値を入れる: example@example.com
- パスワードに以下の値を入れる: password
- ログインボタンをクリックする
【期待値】
- ログインに完了しましたというフラッシュアラートが表示されること
【結果】 ・・・
このように、テストケースには本来求められる「期待値」「作業手順」「結果」が記載されています。これらの内容がまとまったドキュメントが、テストケースです。
QAエンジニアの仕事として、このサービスが本来どのように挙動するべきかをまとめたテストケースを作成することがあります。
ちなみに、例に出したテストケースは「正常系」と呼ばれ、本来期待される正しい入力に対するテストとなります。一方で、テストケースには他にも様々な種類があり、例えば次のようなものがあります。
【テスト】
- ログインIDとパスワードを入れないでログインしようとすると失敗すること
【手順】
- https://example.com/loginにアクセスする
- 何も入力せずにログインボタンをクリックする
【期待値】
-
「IDとパスワードを入力してください」と表示されること
上記のような正しくない値を入力するテストを「異常系」と呼び、正常系のテストと合わせて重要なテストケースの1つです。
例えば上記のように、ログインIDとパスワードを入力せずにログインボタンを押した場合、何も表示されないという事例も存在します。この場合、ユーザーは「バグ」と感じてしまい、問い合わせ増加やサービスが使えないと離れてしまう可能性もあるでしょう。この場合でいえば「メールアドレス、もしくはパスワードが入力されていません」と表示させた方が丁寧です。
そのような問題を防ぐためには、ユーザーの様々な利用方法を想定し、本来の機能が適切に実装されているかを考えながらテストケースを作成することが不可欠です。
テストケースの実行
QAエンジニアの仕事の一環として、テストケースの実行があります。これはイメージするQAエンジニアの仕事に近いでしょう。例えば、以下のテストケースの結果が、どのようなものだったかを記載していく作業です。
【テスト】
- 正しいIDとパスワードを入力した時に、ログインできること
【手順】
- https://example.com/loginにアクセスする
- ログインフィールドに以下の値を入れる: example@example.com
- パスワードに以下の値を入れる: password
- ログインボタンをクリックする
【期待値】
- ログインに完了しましたというフラッシュアラートが表示されること
【結果】
- OK
【テスト】
- ログインIDとパスワードを入れないでログインしようとすると失敗すること
【手順】
- https://example.com/loginにアクセスする
- 何も入力せずにログインボタンをクリックする
【期待値】
- 「IDとパスワードを入力してください」と表示されること
【結果】
-
NG(何も表示されなくなった)
例のようなテストケースがエクセル等にまとめられていて、結果欄に、正常であれば「OK」、期待値と異なる場合は「NG」を記載していく仕事です。期待している値と異なる結果はバグになり、開発に報告して修正をかける必要があります。システムが正常に動作をしているかを見極める作業になりますので、非常に重要な仕事といえます。
テストケースの運用・改善
テストケースの運用・改善も、QAエンジニアの仕事になります。
テストケースの作成は1回作成して終わりではありません。例えば、ログイン機能に対して「登録済みのログインアドレスを、再度登録できないようにしたい」という要望があり、その機能をプロダクトに実装した場合を想像してみましょう。
この場合、既存のテストケースに加えて新たなテストケースの組み入れが必要です。さらに、既に完成したテストケースが作成済みの機能に変更を加えた場合、そのテストケースを変えなければいけない場合もあります。つまり、テストケースを1回作成して終わりではなく、何度も改善を加えることでテストケースの維持に取り組むことが必要です。
テスト計画の作成
QAエンジニアとしてマネージャークラスに昇進すると、テスト計画の作成という業務が増えてきます。テスト計画の作成とは「いつまでにどれほどの工程を使って、どういうテストをどのくらいの割合でいつまでに完了させるのか」という計画を立てることです。
探索テストの実行
QAエンジニアの仕事のなかには、探索テストの実行があります。探索テストとは、様々な顧客のユースケースの使い方を想定し、「ここにバグがあるんじゃないか」と考えながらランダムに選んでいく作業のことです。
例えばログイン機能に対して探索テストを行う場合、これまでのテストケースとは別に、様更新ボタンを100回連続して押し続けた時のケースを想定します。その際、下記のような現象が起こる可能性があります。
- 画面が固まってしまう
- 同じアカウントが100個生成される
- 2回連続で一気に作ろうとするとアカウントが2つ生成される
様々なケースを想定しておけば、このようなバグを事前に回避できます。
また、セキュリティ的な脆弱性を狙ったテストも探索テストの実行の際に行うことが一般的です。
例えば、ユーザーがIDやパスワードを入力する際に、そのメールアドレスが存在する場合は「そのメールアドレスは既に利用されています」と表示されます。また、メールアドレスが存在しない場合は「IDとパスワードを入力してください」と案内が出る仕様になっていると仮定しましょう。
しかし、前者の場合はメールアドレスが存在することになるため、そのパスワードを総当たりすると不正ログインできる可能性があります。(これは総当たり攻撃というハッキングの手法です。)
このようにQAエンジニアの仕事には、セキュリティに問題ないかを、ハッキングしながらテストすることも含まれます。
テスト自動化
QAエンジニアの仕事には、テスト自動化が含まれます。テスト自動化とは、先ほど作成したテストドキュメントを、ソフトウェアを用いて自動的にテストを行うことを指します。
エンジニアが新しい機能を追加したとき、毎回QAエンジニアが1つ1つ手動でテストするのは非常に時間がかかります。そのため、頻繁に行うテストは、ソフトウェアでの自動化が求められることもあります。
例えば、先ほどのログインテストを自動化するケースで想像してみましょう。プログラミング言語(Ruby、Python、Java等)を利用して、Seleniumのようなブラウザ自動化ツールを活用し、ログイン画面に値を入力したり、パスワードを入力して更新する動作を自動化します。
その結果、自動化したプログラムを利用してテストが動いているか確認可能です。
テストを自動化する重要性
テストの自動化はQAエンジニアだけでなく、Webエンジニアも書くことがあります。
テストには、
- 単体テスト
- 結合テスト
- 受け入れテスト
の3種類があります。
単体テストと結合テストは、ユーザーの画面を介さずにプログラムを1つ1つテストしていくもので、これらのテストはWebエンジニアが実装することが一般的です。一方で、受け入れテストはUI側のテストなので、QAエンジニアが担当する場合が多いです。
例えば、ID入力やパスワード入力などの処理は、Webエンジニアだけでのテストでは見逃されてしまう可能性があります。そこで、QAエンジニアがそうしたケースについて追加でテストを実施することがあります。そのため、テストを手動で何回も行うのは大変な労力がかかるため、自動化した方がスムーズです。
最近の傾向として、「Autify(オーティファイ)」や「mabl(メイブル)」といった、プログラムを書かずともブラウザ上の操作からテストを書けるツールが使われています。自動化で楽にテストを実行できるため、ツールの使用スキルが求められる場面もあるでしょう。
テスト結果の報告 / 開発部門への品質改善提案
各テストが完了した後は、テスト結果の報告を行います。テスト結果に基づいて「バグ」あるいは「要望」として報告を提出するのが一般的な対応です。システム上にバグを発見したり、現状を改善することなどがこれに当てはまります。
- 想定した仕様通りではない場合:バグ
- 仕様がユーザーにとって不便ではないかという疑問が生じた場合:要望
例えばバグは「○○の手順で期待値を想定したのに、結果は××になった」というように報告します。一般的に報告は「チケット管理」というシステムを使い、他のエンジニアと共有します。この結果報告はとても重要で、エンジニアがすぐに対応できるように、また問題の再現方法を明確に書くことが重要です。
優秀なQAエンジニアは、この報告をうまく作成できます。また、バグ以外に異常系テストを行った際にユーザーへのレスポンスが不足していた場合など、ユーザーに分かりやすく明示的に書いて報告することも重要です。テスト結果の共有には、「GitHub」や「Jira」、「Redmine」などのツールがよく利用されます。
QAエンジニアは将来性があり需要は高い
結論からいえば、QAエンジニアの将来性は高く、今後も高い需要の見込まれる職業といえます。
現在では、さまざまな製品やサービスがデジタル化され、日々新しいサービスが登場しています。これらのサービスを展開するためには、QAエンジニアによるテストが欠かせません。
また、ITエンジニアの不足している現状もあり、特に若手世代の人数が足りていないことが現状です。高い需要はあるものの、人数が足りていない現状だからこそ、将来性の高い職業といえます。
一方で、AIの発達などにより、エンジニアの職業自体の将来性が低いという意見もあります。
じつは、一部のエンジニアでは、システムを作る際のコードをAIによって生成することがあり、すでに役目を奪われている現状です。同じくQAエンジニアにおいても、テストを自動で行う技術が確立されているため、仕事がなくなるケースもあります。
とはいえ、どのようなテストを実施するかを考えたり、テストが計画通りに実施されるように管理するためには、スキルを持ったQAエンジニアよる管理が欠かせません。そのため、ただテストを言われた通りに実施するQAエンジニアの将来性は低くなる一方で、テストのマネジメントやテスト計画を立てられるレベルのQAエンジニアの需要は、今後も高まり続けると考えられます。
QAエンジニアが年収を高める方法
QAエンジニアが年収を高める方法を4つ紹介します。
- 年収相場の高い企業に転職する
- キャリアパスを検討する
- 資格手当を目標に資格を取得する
- 副業を始める
年収を増やす方法はいくつかあり、選択する働き方によって、とるべき行動が大きく変わります。QAエンジニアの方で収入アップを目指している人は、ぜひ参考にしてみてください。
年収相場の高い企業に転職する
QAエンジニアの年収を上げる手段の1つとして、年収相場の高い企業に転職する方法があります。
一般的なQAエンジニアの平均年収は、約300~500万円です。しかし、QAエンジニア全体の年収が伸びづらいわけではなく、勤務している企業次第で年収に大きな差が出ます。
例えば、年商の少ない中小企業に就職するよりも、IT業界大手の会社に入社した方が、年収が高くなるケースがあります。また、同じIT業界に属している会社でも、QAエンジニアの立ち位置には違があり、単にバグがないかのテストをする部署なのか、専門的にシステムの脆弱性を検証する部署なのかによって、大きく年収が変わるでしょう。
現在の企業で年収アップが望めない場合は、QAエンジニアに対して、より高い給与を支払っている会社に転職することも1つの手段です。ただし、転職を検討する場合は、QAエンジニアとしてキャリアを形成した場合に、将来的にどれくらいの年収になるのかをしっかりと確認しましょう。
キャリアパスを検討する
2つ目は、キャリアアップを検討することです。QAエンジニアのキャリアパスは、主に2つのルートに分かれます。
- QAエンジニアとして昇格していく
- QAンジニアと別領域の能力を広げていく
QAエンジニアのスキルを活かして昇格を目指すなら、シニアQAエンジニア・QAマネージャー・プロジェクトマネージャーなどがあります。シニアQAエンジニアやQAマネージャーの仕事には、テストのスケジュールを作成する役割のほかに、新人エンジニアの教育も含まれます。
QAエンジニアと別領域の能力を広げたいなら、プログラマーという道があります。QAエンジニアのスキルとは別にプログラミングの知識が必要なため、プログラマーを目指すなら、これまでの経験を活かして転職活動を進めるのが賢明でしょう。
QAエンジニアのキャリアパスは様々あるため、まずは自分が望む道を決めてから知識やスキルを習得すると、望んでいる年収を得られる可能性が生まれるでしょう。
資格手当を目標に資格を取得する
3つ目は、資格を取得して資格手当を得ることです。企業のなかには、IT関係の資格を持つ社員に対して資格手当を設けているケースもあります。資格手当は1回限りの給付ではなく、資格を所持し続けることで長期間受け取れるケースがほとんどです。
しかし、企業によっては資格手当の対象となるものが既に定められていることもあります。今の勤め先で年収アップを目指したいのであれば、資格手当の有無やどの資格が対象となるかを確認してから資格取得に挑戦してみましょう。
副業を始める
最後の方法は、メインの職業とは別に副業を始めることです。例えば、自社開発の会社でテスト体制の構築してきた経験があれば、フリーランスとしても年収700~800万円(時間単価6000円~8000円)ほどの高収入が期待できます。この副業を1ヶ月25日、1日3時間、時給6,000円で働けば、月収450,000円を得られるでしょう。
特に質の高いQAエンジニアは、ウェブエンジニアと比べると高収入が期待できます。QAエンジニアとしてキャリアや経験がある方は、副業の機会も視野に入れることをおすすめします。
QAエンジニアのキャリアパス
QAエンジニアの主なキャリアパスは、主に以下の4つがあります。
- シニアQAエンジニア
- QAマネージャー
- プロジェクトマネージャー
- QAコンサルタント
ここでは、QAエンジニアの様々なキャリアパスについて解説しています。
シニアQAエンジニア
シニアQAエンジニアは、QAエンジニアの中でもっとも優秀な専門家とされる役職です。テスト計画などQAエンジニアとしての必要な知識を習得していて、技術力も高いため、チームのリーダー役を任されることもあります。
また、シニアQAエンジニアはテストケースを作成したりテスト計画を立てるために、他の役職とのコミュニケーションも必要です。QAエンジニアとしての経験を長期的に積み重ねていくことでスキルが身に付き、最終的にはシニアQAエンジニアを目指せます。
QAマネージャー
QAエンジニアからキャリアを積み上げてシニアQAエンジニアになった後は、QAマネージャーへのキャリアパスがあります。QAマネージャーの役割は、テスト作成や計画だけでなく、QAエンジニア全体をサポートすることです。
QAマネージャーは単なるコミュニケーション力だけでなく、組織全体をまとめるリーダーシップも求められます。
QAコンサルタント
QAコンサルタントは「コンサルタント」と付いているように、アプリケーションの品質戦略を提案する役割を担っています。テストを始める前に重要視される役職で、テスト開発などテスト全体に関する豊富な知識が必要です。
シニアQAエンジニアやQAマネージャーとして経験を積み、自らのスキルに自信のある方は、QAコンサルタントという新しいキャリアパスに挑戦してみるのもいいでしょう。
プロジェクトマネージャー
プロジェクトマネージャーは、エンジニア全体の上位職です。プロジェクトを滞りなく進めるための、スケジュール管理と予算管理が主な役割となります。
QAマネージャーの役割と共通点もありますが、品質管理以外にも多様な責任を負っていて、プロジェクト全体を指揮します。QAエンジニアとしてスキルアップを重ね、専門性が評価されれば、キャリアアップが期待できる役職です。
QAエンジニアに向いている人の特徴
ここでは、QAエンジニアに向いている人の特徴を紹介します。QAエンジニアに向いている人は、以下のような特徴に当てはまるでしょう。
- バグ探しが好きな人
- 細かいチェックが得意な人
- ドキュメンテーションの能力がある人
- 同じことの繰り返しをできる人
- ITの知識がある人
- コミュニケーション能力がある人
どれかの特徴に当てはまる方は、QAエンジニアを目指してみるのもいいでしょう。
バグ探しが好きな人
ゲーム内のバグを発見したり裏技を見つけ出すことが得意な人は、QAエンジニアに向いているといえるでしょう。
バグ探しは、探索テストの際に非常に重要なスキルです。そもそも小さなミスに気付けなければ、QAエンジニアとしてテストをする意味がありません。
バグを発見するスキルは、ある程度の経験を積むことで身に付くスキルでもあります。とはいえ、細かいミスを発見できる人とできない人がいるもの事実で、多少は適正があるものと考えられます。
QAエンジニアのなかには、直感的に「このシステムには脆弱性があるのではないか」と感じる人もいます。
細かいチェックが得意な人
QAエンジニアに向いている人の特徴の1つとして、細かいことまでしっかりと確認できるというものがあります。この特徴は、テストドキュメントを見て一つ一つのテストケースを確認し、仕様書やテストに記載された期待値・手順・結果を検証する場面で役立ちます。
特にUIのチェックを行う場面では、細部まで十分に注意を向けて検証できるかが重要です。
ドキュメンテーションの能力がある人
次に、ドキュメンテーション能力です。文章力と表現力に長けた人は、QAエンジニアに向いているといえるでしょう。例えば、何らかのエラーが発生した時に提出したドキュメントを見て、エンジニアがそのバグを再現できるかどうかは非常に重要です。
一方で、相手に正しく伝わらない文章を書いてしまうと、内容が理解されずに、問い合わせする手間が増えてしまいます。QAエンジニアの主な仕事はバグを発見して報告することなので、それができないと仕事になりません。指示書やマニュアルの作成が得意な人は、QAエンジニアの仕事が向いていると思います。
同じことの繰り返しをできる人
同じことを繰り返し正確に行える人は、QAエンジニアに向いていると言えるでしょう。QAエンジニアの仕事には、製品をリリースする前にスモークテストを実施することが含まれます。スモークテストは、プロダクトをリリースする度に行われるテストで、テスターが手動で実施します。
そのため、スモークテストのような繰り返し作業が苦にならず、毎日同じことを正確に続けられる人はQAエンジニアにピッタリです。同じ作業を繰り返すことが苦手という人もいるため、これもある程度は向き不向きのある作業といえそうです。
ITの知識がある人
ITの知識がある人やソフトウェア業界での経験がある人は、QAエンジニアに向いています。その理由は、QAエンジニアの業務はソフトウェアを対象とするため、ソフトウェアの基本的な知識が必要だからです。
前提として、ExcelやWord、GoogleスプレッドシートやGoogleドキュメントといった、オフィス系ツールの利用は必須となります。さらに、テストの内容によっては、プログラミングの経験も要求されるでしょう。
また、セキュリティに関わる機能をテストする場合、その機能の使い方を把握していなければテスト実行が難しくなります。
一方で、プログラミングに関する知識を持ちすぎると、ユーザーの立場に立ってのテストが難しくなることもあります。ユーザー側の視点を保つには、エンジニアの都合を一定無視しした知識制限が必要です。テストの内容はケースバイケースで考えて、ITに関する知識は適度に持つことをおすすめします。
コミュニケーション能力がある人
QAエンジニアには、高いコミュニケーション力も必要です。相手の言葉を理解し、自分の考えも相手に伝えられるような双方向のコミュニケーション力が大切だと言えます。コミュニケーション能力はQAエンジニアにとって極めて重要で、多くのケースで求められるものです。
例えば、バグを発見した場合は速やかにエンジニアやカスタマーサポートに報告する場面で考えてみましょう。バグを報告する場合は、バグの再現方法やお客様がバグと述べている事象の分析結果を、エンジニアやカスタマーサポートが理解できるように伝えることが重要です。
また、コミュニケーション能力とは対話だけでなく、チャットなどのオンラインでのやり取りも含まれています。
QAエンジニア年収以外に感じるやりがい
QAエンジニアは、将来性があることや、ある程度の年収が確保できることだけがやりがいではありません。仕事をしていくなかで、QAエンジニアの道を選んでよかったと感じる部分もあります。
ここでは、QAエンジニアとして働いていた筆QAエンジニアとして働いていてよかったと感じる部分を紹介します。
インシデントを防げた時に、貢献できていることを実感できる
QAエンジニアとしてのやりがいは、バグを見つけることで致命的なインシデントを防げた時にあります。予想外の場所で致命的なバグを見つけたときは、とても大きな達成感がありました。
例えば、私はQAエンジニアとして以下のような経験をしてきました。
ログイン機能を持つシステムを構築したとき、セキュリティに重大なバグを発見しました。すぐに気づいてリリース前に修正できたのは良かったものの、万が一そのバグを見落としていたら、サイバー攻撃による情報流出等などの被害が発生し、損害賠償などの会社として大きな責任を問われていたかもしれません。
このように、ビジネスとして大きな存在を未然に防ぐことも、QAエンジニアとして大きな役割があります。
プログラミングスキルや開発スキルが身に付く
QAエンジニアのやりがいのなかには、プログラミングスキルや開発スキルが身に付くことも挙げられます。単にドキュメントに従ってテストを行うのではなく、製品の品質を保ちながら、少ないテストケースで多くのバグを見つけられるか考えることが大切です。
QAエンジニアとして突き詰めると専門性が高い仕事になるため、学習を続けることで学びになることが多くあるでしょう。
他の部署の人に感謝された時
自分が発見したバグによって他の部署の人に感謝されたときは、大きなやりがいを感じます。
例えば、バグを検出してエンジニアに報告する際に「わかりやすいレポーティングおかげですぐに修正できました」と感謝されたときは、とても嬉しい瞬間でした。
まとめ
今回は。QAエンジニアの平均年収や年収を上げる方法、QAエンジニアのキャリアパスについて解説しました。
QAエンジニアの年収は、働く企業や任される仕事の内容によって大きく変わります。単純にテストを実行するだけの仕事の場合は、どうしても年収が上がらないケースもあるでしょう。
年収アップのポイントは、より給与の高い企業への転職や、任される仕事を増やすためにキャリアアップを目指すなどの方法が考えられます。QAエンジニアには、非常に高い需要があり、適切なスキルアップと実績の積み重ねができれば、十分に高い年収を目指せるでしょう。