インフラエンジニアの仕事とは?業務内容や必要な知識を紹介
「インフラエンジニアとは具体的にどのような仕事をしているの?」
「インフラエンジニアになるには、どのような知識やスキルが必要?」
このように思ったことはありませんか?本記事では、以下の内容を解説します。
・インフラエンジニアに必要な知識やスキル、資格
・インフラエンジニアの魅力や年収水準、キャリアパス
インフラエンジニアのメリットも解説しているので、ぜひご一読ください。
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インフラエンジニアとは
インフラエンジニアは、システムやネットワークの構築・運用・保守の責任を担う重要な役割を持っています。インフラとは、コンピューターやネットワークの基盤となる設備のことを指します。
インフラとは
インフラとは、そのシステムを支える技術的な基盤のことを意味します。日常生活や産業を支える設備や施設を「インフラ」と呼ぶように、Webシステムを正しく機能させるために必要不可欠な基盤をインフラと言います。
インフラは大きく分けて、ハードウェアとソフトウェアの2つに分類できます。
- ハードウェア:サーバーなどの物理的な機器
- ソフトウェア:サーバーを動作させるためのOS(オペレーティングシステム)やミドルウェア
ITインフラの稼働環境として、オンプレミスとクラウドがあります。
オンプレミス方式とは、企業が自社内に機器を設置し、自ら運用・管理を行う形態です。クラウド方式では、インターネットを介してサービス提供者のサーバーを利用することを意味しています。
オンプレミス | クラウド | |
初期コスト | 高い (物理的な機器の購入が必要) |
低い (利用した分だけ支払う) |
運用コスト | 高い (自社での運用・管理が必要) |
変動する (サービス利用量に準ずる) |
柔軟性 | 低い (物理的な制約がある) |
高い (リソースを迅速に拡張・縮小可能) |
セキュリティ | 自社で完全に管理 | サービス提供者に依存 |
アップデート | 手動で行う必要がある | 自動的に提供される |
拡張性 | 物理的なスペースや機器に依存 | 需要に応じてリソースを追加可能 |
システムエンジニアなど他の職種との違い
システムエンジニアとインフラエンジニアの違いは以下のようにまとめられます。
- システムエンジニア:ソフトウェアやアプリの開発に専念
- インフラエンジニア:ハードウェアやネットワークといった物理的な要素、それらを最適に機能させるためのシステム設計に携わる
つまり、システムエンジニアはソフトウェアの機能性を生み出しますが、インフラエンジニアはそのソフトウェアが動作するための基盤を提供します。
インフラエンジニアの仕事内容と流れ
インフラエンジニアの業務プロセスは、以下のような流れとなっています。
- 要件定義
- 設計・構築
- 運用・保守
要件定義
要件定義は、システム開発プロジェクトを始めるにあたって必要不可欠な工程です。開発者は、ユーザーの要求を収集し、それらを具体的な技術的要件に落とし込む作業を行います。
この工程ではユーザーのニーズを明確にし、その要望に基づきシステムで実現すべき機能や性能などを決定します。要件定義は、プロジェクトの成功に直結する非常に重要なステップです。
要件定義のプロセスは、大きく3つのステップに分けることができます。
項目 | 内容 |
要求のヒアリングと技術評価 | ・営業部門などが顧客と対話し、ユーザーのニーズを収集 ・インフラエンジニアは、提案された要求が実現可能かどうか、どの技術が最適かを判断 |
要求の技術的細分化と評価 | ・ヒアリングした要求を、インフラエンジニアが技術的な観点からさらに詳細に分析 ・必要なインフラ要件と希望されるインフラ要件に分類し、それぞれに優先順位づけ ・要求を満たすことが不可能な場合、プロジェクトのステークホルダーと連携し、優先順位を整理 |
インフラ設計文書(要件定義書)の作成 | ・インフラ設計文書を作成 -プロジェクトの全体概要 -具体的なインフラ構成の詳細 -使用される技術 -実装の目標や目的 ・以下に留意して作成 -プロジェクトに関わる全員が共通の理解を持てる -インフラチーム内での作業の指針となる |
要件定義が曖昧だと、開発途中に大きな仕様変更が必要になる可能性があり、プロジェクトの遅れやコストの増加など、さまざまな問題が生じてしまう可能性があります。
要件定義を適切に行うには、ユーザーのニーズを正しく捉え、それを技術的に実現可能な形に落とし込むことが不可欠です。加えて、要件に最適な技術を選定することで、スムーズなインフラ構築が実現できます。
設計・構築
設計業務はプロジェクトの全体フローの中で要件定義の次に行われ、開発や検査の前に実施されます。設計には基本設計と詳細設計の2つのフェーズがあります。
基本設計
要件定義で確立したシステムの概要を基に、システム構築に向けた具体的な設計を行います。ここでは物理サーバーの構成、クラウドサービスの活用、仮想化環境の構築、ネットワークの接続設計など、システム実装に必要な詳細を決定します。また、高可用性、冗長性、バックアップ・復旧の戦略立案も含みます。
項目 | 内容 |
物理サーバーと仮想サーバーの構成 | システムに必要なサーバーの数、種類、配置を計画 |
クラウドサービスの選定と利用計画 | どのクラウドプロバイダーを使用するか、どのサービスを利用するかを決定 |
ネットワーク接続設計 | 内部ネットワークとインターネット接続の設計、セキュリティ要件に基づいたネットワークアーキテクチャを構築 |
可用性、冗長性、バックアップ・リストア | システムの信頼性を高めるための設計を行い、災害時の復旧計画を立案 |
詳細設計
基本設計で決めた方針を踏まえ、システムのパラメータ、ミドルウェア、ソフトウェアの詳細設定、稼働条件などを具体化していきます。このフェーズでは、アプリケーション開発に適した環境設計が必要とされます。
項目 | 内容 |
パラメータ設定 | システムの性能要件を満たすために、各サーバーやネットワーク機器の詳細な設定を行う |
ミドルウェアとソフトウェアの選定および設定 | アプリケーションの要求を満たすために必要なミドルウェアやソフトウェアを選定 |
環境設計 | アプリケーションが最適に動作するよう、必要な環境(開発、テスト、本番など)を設計 |
構築
設計が完成し、承認されたら、次のフェーズとして構築に移ります。この工程では、設計資料を参考に、実際にシステムの構築を進めていきます。構築フェーズに含まれる作業は以下のとおりです。
項目 | 内容 |
ハードウェアの設置と設定 | 物理サーバーやネットワーク機器を設置し、基本設定を行う (クラウドで構築する場合には不要) |
ソフトウェアのインストールと設定 | OSやミドルウェア、アプリケーションソフトウェアのインストールと、詳細設計に基づいた設定を行う |
ネットワークの構築とテスト | 内部ネットワークと外部への接続を構築し、セキュリティ設定を含めたテストを実施 |
運用・保守
システムが本稼働を始めると、インフラエンジニアの役割は運用と保守に集中することになります。この時期は以下が主な業務となります。
- システムのパフォーマンス監視
- 問題の解決
- セキュリティの更新
- 必要に応じたシステム拡張
企業のニーズは絶え間なく変化するので、継続的な評価と改善が重要です。
インフラエンジニアの種類
インフラエンジニアの種類は以下の通りです。
- クラウドエンジニア
- ネットワークエンジニア
- データベースエンジニア
- サーバーエンジニア
- セキュリティエンジニア
- カスタマーエンジニア
自身の関心に合わせて、インフラエンジニアとしての適した分野を見極めていくことが重要になります。
クラウドエンジニア
クラウドエンジニアの役割は、AWS、Azure、GCPなどのクラウドインフラの構築、運用、管理です。さらに、オンプレミスからクラウドへの移行支援やクラウドリソースの最適化などにも従事します。
ネットワークエンジニア
ネットワークエンジニアは、企業や組織内のコンピューターネットワークの設計、構築、維持を専門とする技術者です。主に以下の業務を担当します。
- データの安全な伝送
- ネットワークのパフォーマンスと信頼性の確保
- 障害発生時の迅速なトラブルシューティング
データベースエンジニア
データベースエンジニアは、データベースシステムの設計、構築、管理を専門としています。データの保管、検索、更新の効率性向上、バックアップ・リカバリ、パフォーマンス最適化などの業務を行います。
サーバーエンジニア
サーバーエンジニアとは、コンピューターシステムを運用するために不可欠なサーバーの設計、構築、運用、管理を行う専門家のことです。
サーバーエンジニアの役割は、サーバーが安定稼働し、必要なサービスを絶えず提供し続けられるようにすることです。
セキュリティエンジニア
セキュリティエンジニアの主な仕事は、企業の情報システムをサイバー攻撃から守ることです。他にも以下を担当します。
- ファイアウォールや侵入検知システムの設定
- セキュリティポリシーの策定
- リスク評価や脆弱性診断
- インシデント発生時の対応
カスタマーエンジニア
カスタマーエンジニアは、顧客先のデバイスの設置・保守・修理を担い、以下を担当します。
- ハードウェアやソフトウェアの導入支援
- 定期的なメンテナンス
- トラブルシューティング
- 顧客からの技術的なお問い合わせ対応
業務内容は幅広いといえます。
インフラエンジニアに必要な知識
インフラエンジニアに必要な知識やスキルは以下の通りです。
- エンドユーザーを意識した構築・運用
- サーバー / ネットワークの知識・スキル
- 仮想化の知識・スキル
- 情報セキュリティの知識・スキル
- ミドルウェアの知識・スキル
- シェルスクリプトの知識・スキル
エンドユーザーを意識した構築・運用
ユーザーの利便性と信頼性を第一に考えることで、優れたシステムやサービスを構築することができます。
例えば、ネットバンキングでは、システムの安定性とセキュリティを確保しつつ、顧客が快適に取引できるような基盤を提供します。
サーバー / ネットワークの知識・スキル
効果的で信頼度の高いITインフラを構築し運用するためには、サーバーやネットワークの知識とスキルが不可欠です。サーバーに関しては、Windows、Linux、Unixなどのオペレーティングシステムについて深い理解が求められます。
具体的には、以下を設定・メンテナンスする能力が必要です。
- サーバーのインストール、設定、運用
- セキュリティ対策
- パフォーマンスの最適化
- 負荷分散
ネットワーク分野では、基本的なネットワーク構造の知識に加え、以下の知識が欠かせません。
- ルーティング
- スイッチング
- ファイアウォール
特に災害対応のネットワークシステムなど、重要なシステムでは高い可用性と耐障害性が必要とされ、トラブル発生時の迅速な対応能力も求められます。
最近では、多くの企業がクラウド技術の導入を進めるようになっています。これにより、物理的なリソースだけでなく、クラウド上のリソース管理やスケーラビリティを実現する設計力が求められるようになってきました。主要なクラウドプラットフォームにはAWS、Azure、Google Cloudがあります。
クラウドコンピューティングの技術は、金融取引の効率化や、ECサイトでの顧客体験改善など、多岐にわたる分野で活用されており、ビジネスに大きな貢献をしています。
仮想化の知識・スキル
仮想化技術は、開発やテスト環境を迅速に構築する際に特に有効です。仮想マシンは簡単にコピーできるので、災害復旧時にも非常に役立ちます。
ネットワーク仮想化を活用すれば、VPNやVLANといった仮想ネットワークを構築でき、物理ネットワークの制限を越えた自由度の高いネットワーク設計が可能になります。
情報セキュリティの知識・スキル
インフラエンジニアには、ファイアウォールや侵入検知システムなどのセキュリティツールを使って、システムを不正アクセスやサイバー攻撃から守る重要な役割があります。
セキュリティが十分に確保されたITインフラは、企業の信頼と安定性を支え、企業価値の向上に寄与します。
ミドルウェアの知識・スキル
ハードウェアとソフトウェアの仲介的な役割を担うミドルウェアの知識も必要です。ミドルウェアの知識を活用すれば、システム監視やジョブの実行などが自動化でき、作業効率が大幅にアップします。
シェルスクリプトの知識・スキル
シェルスクリプトの知識を習得すれば、毎日の管理業務やシステムメンテナンスを自動化できるようになります。システムバックアップやソフトウェア更新といった定期的な作業をスクリプト化することで、手作業のエラーを防ぎ、作業時間も短縮できます。
加えて、シェルスクリプトを使うことで、サーバーの監視や性能分析も行えます。
このようにシェルスクリプトを活用することで、インフラの健全性を継続的に管理し、想定外のダウンタイムを防ぐことができます。
インフラエンジニアに必要な資格
インフラエンジニアとして必要な資格は以下の通りです。
- 基本情報技術者試験
- 応用情報技術者試験
- ベンダー系資格
- Linux関連の資格
- ネットワークスペシャリスト
- データベーススペシャリスト
- AWS認定ソリューションアーキテクト
基本情報技術者試験
経済産業省が承認する国家資格である「基本情報技術者試験」は、ITパスポートと同様に、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が主催する資格試験です。就職や転職の際に活用できます。
試験の内容は、ITエンジニアとして習得しておくべき基礎知識を網羅しており、ITの初心者にも適した資格となっています。
ITの基礎から実務までを体系的に学習できるため、エンジニアを目指す人にうってつけの資格です。
応用情報技術者試験
応用情報技術者試験は、基本情報技術者試験の内容をさらに発展させた上位資格の試験です。出題範囲は、基本情報技術者試験の内容を掘り下げた実務的な知識やスキルに関するものとなっています。
難易度は基本情報技術者試験よりも高く、すでにエンジニアとして活躍している方や、さらなる専門性の向上を目指す方に適した試験と言えます。
また、受験者自身の得意分野に合わせて科目を選択できるため、目指すキャリアパスに沿った受験が可能です。
ベンダー系資格
特定のベンダーの製品や技術に特化した資格で、その製品の適切な活用に必要な知識と技術が証明されています。例えば、Microsoft、VMware、Oracleなどの大手企業が提供する資格は、それぞれの製品を理解し、効果的に使うのに役立つものです。
CCNA/CCNP
CCNA(Cisco Certified Network Associate)・CCNP(Cisco Certified Network Professional)は、ネットワーク機器大手のシスコシステムズ社が運営する認定資格制度です。この資格を取得すれば、ネットワークエンジニアとしての技能とシスコ製品に関する知見を有していることを示すことができます。
CCNAは、ネットワークの基礎知識およびスキルを習得するための資格であり、ITの初心者やインフラエンジニアを目指す人に適しています。特に、シスコ製品はサーバー構築などのインフラ分野で幅広く活用されているため、この分野で活躍したい人にとって有益な資格と言えます。
CCNPはCCNAの上位資格で、CCNAよりも難易度が高くなっています。
AWS認定ソリューションアーキテクト
AWS認定ソリューションアーキテクトもベンダー資格です。クラウドサービスの急速な普及に伴い、AWSに関する専門知識と技術を示すAWS認定ソリューションアーキテクトの需要が高まっています。
この資格はクラウド環境の設計、構築、運用に関する高度なスキルが必要とされるものであり、クラウドに特化したキャリアを目指す方にとっては重要な資格と言えるでしょう。
Linux関連の資格
LinuCなどのLinuxに関する資格は、オペレーティングシステムの深い知識と実践力を示します。サーバー運用でLinuxを利用する機会が多いことから、インフラエンジニアにとって非常に有益な資格です。
ネットワークスペシャリスト
ネットワークスペシャリスト試験は、経済産業省が承認する国家資格です。この試験は、ITパスポートやデータベーススペシャリストと同様に、情報処理技術者試験の一環として実施されています。
ネットワークの専門家としての実力を証明する試験で、情報処理技術者試験の中でも最難関の部類に入り、合格率が非常に低い試験の一つです。
インフラ構築に不可欠なネットワークの専門家としての地位を得られるため、キャリアアップを目指す方や更なる専門性の向上を望む方におすすめの資格です。
データベーススペシャリスト
データベーススペシャリスト試験は、経済産業省が認定する国家資格です。ネットワークスペシャリスト試験と同様に、情報処理技術者試験の一環として実施されています。
データベースに関するシステム基盤の企画、要件定義、開発、保守運用ができる人材であることを認定する資格です。
バックエンドエンジニアに不可欠なデータベースの専門知識を習得できるため、キャリアアップを目指す方やデータベース分野のスペシャリストを志す方におすすめの資格といえます。
インフラエンジニアに向いている人
以下に該当する人は、インフラエンジニアに向いているといえます。
- 学習意欲があり新しい技術を習得できる人
- 機械・IT機器に触れるのが好きな人
- 慎重に仕事を進める人
- ミスに気付く能力が高い人
- 事前準備が得意である人
- 裏方の仕事が好きである人
- 手に職をつけたいと思っている人
学習意欲があり新しい技術を習得できる人
IT全般においては、技術の進化が絶え間なく続いており、その進化スピードが年々高まっていきます。クラウド、仮想化、自動化ツールなどの新しい技術やトレンドが次々に登場するため、知識欲旺盛な人に向いている分野だと言えるでしょう。
機械・IT機器に触れるのが好きな人
インフラエンジニアの業務では、サーバー、ネットワーク機器、ストレージ設備など、多様なIT機器を扱います。こうした機器の仕組みに関心があり、その構造を把握しつつ課題を解決するのが好きな人には、この仕事は大変やりがいのある職だと言えます。
慎重に仕事を進める人
インフラエンジニアの仕事では、些細なミスが大きな問題につながりやすいため、慎重で入念な業務遂行能力が求められます。
ミスに気付く能力が高い人
インフラエンジニアには、システムの企画・構築・運用の各ステージにおいて生じる可能性のある課題やミスを迅速に特定し、解決する力が必要です。問題解決力と細部の不具合に気づき修正する能力を備えた人が、大規模な障害を未然に回避できる優秀なインフラエンジニアになれます。
事前準備が得意である人
インフラエンジニアにとって、予期せぬトラブルや障害に対する事前の準備は非常に重要です。
裏方の仕事が好きである人
インフラエンジニアはITシステムの根幹を支える基盤づくりと保守管理を行う、いわば「陰の立役者」です。目に見えにくい存在ながら、社会や組織にとって不可欠な業務に携わることで、やりがいを感じながら働くことが可能です。
手に職をつけたいと思っている人
インフラ関連の知識とスキルは非常に需要が高く、将来にわたって安定したキャリアを築くことができます。技術的な専門性を高めることで、安定した職を得られるでしょう。
インフラエンジニアのキャリアパス
インフラエンジニアの人が歩むキャリアパスとして、考えられるものは以下のとおりです。
- マネジメント層への昇進/プロジェクトマネージャーになる
- ITスペシャリストを目指す
- ITコンサルタントになる
- ゼネラリストになる
マネジメント層への昇進/プロジェクトマネージャーになる
インフラエンジニアから、よくある昇進パスの1つがマネジメント層への昇格です。マネジメント層に昇格すると、プロジェクトマネージャーやチームリーダーとなり、チームを指導してプロジェクトを成功に導くという重要な役割を担うことになります。
ITスペシャリストを目指す
特定分野のエキスパートを目指したいのであれば、ITスペシャリストがおすすめです。ITスペシャリストは、セキュリティ、クラウド、データベースなどの特定領域に精通し、その分野における最高水準の知識とスキルを追求し続けます。
ITコンサルタントになる
インフラエンジニアの経験と知識を生かし、より戦略的な助言を行いたい人は、ITコンサルタントの仕事を選ぶと良いでしょう。
単なる技術知識だけでなく、ビジネス戦略や経営に関する深い理解が必要とされ、クライアントの事業をITの面から支援します。
ゼネラリストになる
特定分野に焦点を絞らず、広範囲にわたる知識とスキルを持つ人には、ゼネラリストという選択肢があります。
様々な業界や開発手法のプロジェクト、新しい技術分野への適応が可能で、活躍の機会は非常に大きいのが特徴です。
インフラエンジニアのやりがい
インフラエンジニアのやりがいとしては、以下が挙げられます。
- 知識・スキルの獲得で自己成長ができる
- システムの根幹に携わることができる
- 障害対応を乗り切ったときに達成感がある
知識・スキルの獲得で自己成長ができる
技術の進歩に合わせて、インフラエンジニアには常に新しい発見があるため、成長意欲の高い人にとっては、楽しい仕事といえるでしょう。
システムの根幹に携わることができる
自分が構築したインフラ上でアプリが稼働し、それが企業の業務やサービスの根幹を支えていることは、大きな喜びにつながります。インフラエンジニアとしてシステム全体の要となることができるのは、この仕事の魅力だと言えます。
障害対応を乗り切ったときに達成感がある
システム運用では、予期せぬ障害やトラブルに遭遇することがあります。緊急事態に素早く正確に対応し、問題を解決できたときの達成感は非常に大きいものです。特に、チームメンバーやクライアントから感謝されたときの喜びは格別なものになるでしょう。
インフラエンジニアのメリット
インフラエンジニアのメリットには以下があります。
- 市場価値の高いスキルを得られる
- スキルを幅広く身につけられる
- やりがいや責任のある仕事ができる
- 急になくなる仕事ではない
- 未経験でも目指しやすい
それぞれのメリットを順番に解説します。
市場価値の高いスキルを得られる
資格取得に向けた勉強と現場での実務を通して、以下のような組織のITインフラを設計・構築・運用するために必要なスキルが身につきます。
- サーバー
- ネットワーク
- クラウドサービス
多くの企業がこの分野の高度な技術を持つ人材を必要としているのが現状です。
スキルを幅広く身につけられる
インフラエンジニアの仕事は、ネットワークやサーバー、ストレージ、クラウドなど、幅広い技術分野をカバーしています。そのため、多岐にわたるスキルを身につけられます。
やりがいや責任のある仕事ができる
インフラエンジニアには、システムの安定稼働を確保し障害時の迅速な対応を求められるなど、大きな責任が課されています。しかし、それだけに、やりがいも非常に大きいのが特徴です。
急になくなる仕事ではない
ITインフラは現代社会の重要な基盤であり、その需要は今後も増え続けると考えられます。したがって、インフラエンジニアの職は急激に需要がなくなることはありません。
未経験でも目指しやすい
インフラエンジニアの分野では、初心者でも知識とスキルを習得できる充実した教材や学習サービスが用意されています。AWS認定資格やその他の資格試験は、比較的短期間の学習で合格できるものが多いため、それらを目標にすれば学習の後押しになるでしょう。
インフラエンジニアの年収
インフラエンジニアの平均的な年収と、年代別の年収を以下のとおり紹介します。
- インフラエンジニアの平均年収
- インフラエンジニア20代の平均年収
- インフラエンジニア30代の平均年収
- インフラエンジニア40代の平均年収
インフラエンジニアの平均年収
経済産業省のIT関連産業の給与等に関する実態調査結果 では、インフラエンジニア(基盤設計担当・ITアーキテクト)の平均年収は約778万円とされています。これは国税庁の令和4年分 民間給与実態統計調査の日本人の平均年収と比較しても高い金額です。
インフラエンジニア20代の平均年収
job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))によると、20代の平均年収は次のとおりでした。
- 20~24歳:376万円
- 25~29歳:514万円
20代前半の人は日本人の平均収入である458万円より低めです。一方、20代後半頃から平均を上回るようになります。20代の間に平均を超えるようであれば、収入面は良好といえます。
インフラエンジニア30代の平均年収
job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))によれば、30代の平均年収は以下のとおりです。
- 30~34歳:647万円
- 35~39歳:730万円
30代になると、プロジェクトマネジャー(PM)やマネジメント業務を担当する機会が増えます。責任や難易度は大きくなるものの、報酬も上がる傾向にあるため、やりがいも高まっていくと言えるでしょう。
インフラエンジニア40代の平均年収
job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))によれば、40代の平均年収は次のとおりです。
- 40~44歳:738万円
- 45~49歳:759万円
40代になると、給与の上昇幅は20代から30代ほど大きくは見られません。しかし、平均給与458万円と比べると高い水準であり、スキルや経験によっては上記以上の年収も見込めます。
インフラエンジニアの年収が高い4つの理由
インフラエンジニアの年収が高い理由は、以下の4つです。
- 業界全体でエンジニアが不足しているから
- インフラエンジニアに高い専門性が求められるから
- スキルに応じて年収が変わるから
- サービス運用などにインフラが必要不可欠なため
業界全体でエンジニアが不足しているから
企業は日々の業務を円滑に進めるため、安定したITインフラが欠かせません。そもそもIT人材の不足は以前から課題になっており、インフラエンジニアも数が不足しています。
設計や運用を担えるハイスキルなインフラエンジニアが足りていないので、年収は高くなる傾向にあります。
インフラエンジニアに高い専門性が求められるから
インフラエンジニアの仕事には、高度な専門知識と技術が不可欠です。さらに、急速に進化する技術に常に対応できる能力も求められます。
スキルに応じて年収が変わるから
インフラエンジニアの年収は個人のスキルと経験に大きく依存しています。基本的な運用管理力から、特定領域の専門知識、プロジェクト管理スキルなど、多岐にわたるスキルセットを有するエンジニアは高く評価されます。
サービス運用などにインフラが必要不可欠なため
ITサービスを常に24時間365日安定して提供するには、信頼性の高いITインフラが不可欠です。インフラエンジニアは、企業のサービス運用を支える基盤を構築・維持する重要な役割を担っており、その責任の大きさが年収に反映されます。
インフラエンジニアが年収1,000万円を目指す方法
インフラエンジニアが年収1,000万円を目指す方法としては、以下が考えられます。
- 大手企業へ転職する
- 外資系企業へ転職する
- フリーランスで働く
- 副業で収入を増やす
大手企業へ転職する
大手企業は確固たる経営基盤と多様な事業展開を持つため、インフラエンジニアの雇用需要が高く、高給与を設定する傾向にあります。大手企業の大規模なプロジェクトには高度な技術力と強い責任感が求められるため、相応の高額な年収を得ることができるのが特徴です。
外資系企業へ転職する
外資系IT企業は、高額の報酬水準で知られています。グローバルな視座での業務が求められ、英語力や国際プロジェクトマネジメントスキルが重要視されます。
フリーランスで働く
フリーランスとして活動すれば、専門性の高い分野や技術力の優れた分野で仕事を受注できるため、年収が1,000万円を超えられる可能性が高まります。フリーランスエージェントなどで高単価の案件を受注しましょう。
副業で収入を増やす
現在の会社以外での副業で収入を増やすことは、年収1,000万円を目指す一つの手段となります。以下はインフラエンジニアが行える副業の一例です。
- フリーランス案件に取り組む
- 自身の専門知識やスキルを活かしてITコンサルタント業務を行う
- オンラインで講師を務める
自身に合った副業で、収入アップを狙いましょう。
インフラエンジニアの仕事内容を把握しよう
インフラエンジニアは、ハードウェア、ソフトウェア、ネットワークなどのITインフラを設計、構築、運用管理する重要な役割を担っています。企業のシステム基盤を支える技術者として、高度な専門性と責任感が求められます。
最新のクラウド技術やセキュリティ対策、仮想化など、常に進化するITスキルの習得が必要です。積極的な学習と資格取得に取り組むことで専門性を高め、年収1,000万円を目指せるキャリアパスも開けます。
インフラエンジニアとしての経験を積み重ね、さらにプロジェクトマネジメントやコンサルティングスキルを身につければ、より高い地位と収入を得られるでしょう。IT業界で長期的に活躍したい方は、ぜひこの記事を参考にキャリア設計をしていってください。