インフラエンジニアはオワコン?その理由やこれからの需要を解説
「インフラエンジニアは本当にオワコンの職業なの?」
「インフラエンジニアの仕事はクラウド化で需要がなくなる?」
このように思ったことはありませんか?この記事では、以下の内容を中心にお伝えします。
・インフラエンジニアの需要
・オワコンにならないインフラエンジニアの特徴
インフラエンジニアに必要な知識や、独学で勉強する方法などもお伝えするので、ぜひ最後までご覧ください。
目次 (PRも含まれます)
インフラエンジニアはオワコンの職業ではない!
インフラエンジニアはオワコンと言われることがあるものの、事実とは言えません。以下では、インフラエンジニアがオワコンの仕事ではない理由について説明します。
クラウドに環境を移行する企業が増えているため
インフラエンジニアの仕事の一部はクラウド化の進展により減少傾向にある事実があります。企業がITシステムをオンプレミスからクラウド環境に移行したことで、ネットワーク構築や保守などの一部業務が不要となったためです。
こうした中、以下のようなクラウド化に伴う業務も生まれており、クラウドの知識とスキルを持つインフラエンジニアに対する需要は高まっています。
- クラウドの設計、構築
- 監視
- パフォーマンス最適化
クラウドを使いこなせるインフラエンジニアは、企業にとって重要な人材となるでしょう。
オンプレミスを使用する企業がなくならないため
クラウド化が完了したわけではありません。オンサイトのITインフラを保持し続けている企業も多く存在しています。
オンプレミス環境には、クラウドに比べて柔軟性や拡張性の課題があります。しかし、セキュリティや管理の観点から、企業の重要なシステムではオンプレミス化を続ける企業が多いのが実態です。
そのため、社内のネットワーク環境構築やインフラの運用・保守を担当するインフラエンジニアの需要は、今後も一定程度続くと考えられます。
メタバースの普及で需要が高まっているため
メタバースにおいては、仮想空間での活動を支えるITインフラが必要不可欠です。
そのため、メタバースが拡大するにつれ、仮想空間を支えるネットワーク、サーバ、セキュリティなどのインフラ整備の需要が高まっています。
メタバースがより普及し、仮想の世界での活動が当たり前になっていくのであれば、そのインフラ環境の重要性は高まり続けるでしょう。そのような環境の中で、インフラエンジニアの役割や需要は増大していくと考えられます。
インフラエンジニアがオワコンと言われる理由3選
インフラエンジニアの仕事が衰退しつつある背景には、大きく3つの理由が指摘されています。
- 夜間勤務や残業で精神面が辛くなるから
- 急なトラブルにも即座に対応する必要があるから
- 常に新しい情報を得るための学習が必要だから
「インフラエンジニアの仕事は時代に取り残されている」と感じている人は、上記3点をよく確認し、自分がインフラエンジニアとして活躍できるかどうか検討するといいでしょう。
夜間勤務や残業で精神面が辛くなるから
インフラエンジニアは、ITインフラの24時間365日の稼働を維持する必要があるため、夜勤や休日出勤を余儀なくされます。
長時間労働が続く状況では心身両面で負担が大きくなり、仕事に集中できなくなるなど負荷が増大します。そのため、インフラエンジニアの仕事は非常に過酷で、もはや過去の遺物とみなされることがあるのです。
急なトラブルにも即座に対応する必要があるから
インフラエンジニアの主要な役割の1つに、ITインフラの問題に対する迅速な対応があります。システムが停止すれば、企業の業務遂行に大きな支障が生じるため、エンジニアは即座に原因を究明し、復旧策を講じなければなりません。
突発的な障害に常に備えてすぐに対応できる態勢を整えておく必要があるので、インフラエンジニアの職務は大変だと言われることがあるのです。
常に新しい情報を得るための学習が必要だから
インフラエンジニアにとって、日々進化するIT技術に対応することが大きな課題の1つとなっています。以下をはじめ、インフラに関する技術は絶え間なく進化し続けているのです。
- ネットワーク機器
- サーバー
- セキュリティ対策
したがって、インフラエンジニアには常に最新の技術動向を追いかけ、自身のスキルを向上させ続ける努力が求められます。単に与えられた仕事をこなすだけでなく、新たなスキルの修得や資格取得、研修への参加などを通じて、絶え間ない自己研鑽を行う必要があります。
インフラエンジニアの需要状況
IT技術の発達と共に、企業のシステムインフラは複雑化・大規模化しており、それに伴ってインフラエンジニアの需要が年々高まっています。特に近年では、クラウドコンピューティングの普及により、AWSやAzureなどのクラウドサービスを活用したインフラ構築が主流になりつつあります。そのため、クラウドインフラの知識を有するエンジニアはとりわけ重宝されているのが現状です。
ビジネスにとってITインフラが重要性を増す中、インフラエンジニアの職は今後も高い需要が見込まれます。時代のニーズに応えられるよう、スキルアップを続けることが重要です。
インフラエンジニアの年収
インフラエンジニアの年収について、以下のとおり紹介します。
- インフラエンジニアの平均年収
- インフラエンジニア20代の平均年収
- インフラエンジニア30代の平均年収
- インフラエンジニア40代の平均年収
インフラエンジニアの平均年収
経済産業省のIT関連産業の給与等に関する実態調査結果 では、インフラエンジニア(基盤設計担当・ITアーキテクト)の平均年収が約778万円です。これは国税庁の令和4年分 民間給与実態統計調査のの日本人の平均と比較しても高い金額だと言えます。
インフラエンジニア20代の平均年収
job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))によると、20代の平均年収は次のとおりでした。
- 20~24歳:376万円
- 25~29歳:514万円
20代前半の人は日本人の平均収入である458万円より低めです。しかし、20代後半頃から平均を上回るようになります。20代の間に平均を超えられるのであれば、収入面で良い環境にあると言えます。
インフラエンジニア30代の平均年収
job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))によれば、30代の平均年収は以下のとおりです。
- 30~34歳:647万円
- 35~39歳:730万円
30代になると、エンジニアがプロジェクトマネジャーやその他マネジメント業務を担当することが増えてきます。責任や難易度は大きくなりますが、それに伴って報酬も上がるためやりがいも高まっていくと言えるでしょう。
インフラエンジニア40代の平均年収
job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))によれば、40代の平均年収は次のとおりです。
- 40~44歳:738万円
- 45~49歳:759万円
40代に入ると、給与の上昇幅は20代から30代ほど大きくは見られませんが、平均給与458万円と比べると高い水準にあると言えます。
インフラエンジニアの年収が高い4つの理由
ここからは、インフラエンジニアの報酬水準が平均を上回る背景について解説します。
業界全体でエンジニアが不足しているから
企業は日々の業務を円滑に進めるため、安定したITインフラが不可欠です。しかし、その設計や運用を担えるスキル高いインフラエンジニアが不足しているため、年収が高くなる傾向にあります。
インフラエンジニアに高い専門性が求められるから
インフラエンジニアには、高度な専門知識と技術力が不可欠です。さらに、急速に進化する技術に常に追随する能力も重要です。
スキルに応じて年収が変わるから
インフラエンジニアの年収は、個人の保有スキルと経験に大きく影響されます。以下のような幅広い能力を持つエンジニアは高く評価されることが多いです。
- 基本的なシステムの運用管理
- 特定分野の高度な専門知識
- プロジェクトマネジメントスキル
特に、クラウドサービスやサイバーセキュリティなど、ニーズの高まっている領域に精通したエンジニアは、年収が上がりやすいでしょう。
サービス運用などにインフラが必要不可欠なため
企業のITサービスを常に安定して提供し続けるためには、信頼性の高いインフラが不可欠不可欠です。インフラエンジニアはこのサービス基盤を構築・維持する重要な役割を担い、その責任が高い年収に反映されます。
オワコンにならないインフラエンジニアの特徴
インフラエンジニアがもはや時代遅れだという意見もありますが、現に第一線で活躍している人も存在するのが事実です。そのようなインフラエンジニアには、以下のような特徴が見られます。
- インフラエンジニア全般の知識を持っている人
- 常に最新の情報を入手し学習する人
- インフラエンジニア関係の資格を所持している人
オワコン扱いされないよう、どのような取り組みができるのか、一緒に考えていきましょう。
インフラエンジニア全般の知識を持っている人
インフラエンジニアには、サーバー、ネットワーク、セキュリティといった様々な領域の知識が求められます。
様々な最新技術への理解を深め、企業の多様なニーズに的確に対応できる知識を持つことが、インフラエンジニアにとって重要です。
常に最新の情報を入手し学習する人
インフラエンジニアは、目覚ましいテクノロジーの変化に常に取り組んでいる分野に携わっているため、最新情報の習得と自己研鑽を続けることが不可欠です。現在のスキルに満足するのではなく、絶えず新しいことを吸収し続ける姿勢が重要です。
さらに、未経験の分野の知識を習得して資格取得にも取り組むなど、幅広く学習を続けることでスキルの陳腐化を免れることができます。最新技術への対応力を維持し続けることが、インフラエンジニアとしての価値を向上させる重要なカギとなります。
インフラエンジニア関係の資格を所持している人
インフラエンジニアには幅広い分野の知識が必要とされています。そのため、関連する資格を取得することで、自身の専門性を客観的に証明することができます。一般的に知られている主な資格としては、以下が挙げられます。
- Cisco認定技術者資格(CCNA/CCNP)
- オラクル認定資格(ORACLE MASTER)
上記の資格は、ネットワーク分野やデータベース分野の専門性を示すものとして評価されています。
インフラエンジニアとしての実務経験に加え、関連資格を複数保有することで、企業から高い信頼と評価を得られる可能性が高くなります。最先端の分野の資格を取得する意欲があれば、陳腐化を回避でき、キャリアアップにつなげられるでしょう。
インフラエンジニアに必要な知識
ここで紹介するスキルを身につければ、インフラエンジニアとして活躍できるようになるだけでなく、転職後もさらなる活躍の機会が得られるでしょう。
エンドユーザーを意識した構築・運用
エンドユーザーのニーズや体験に最大の優先順位を置くことで、便利で信頼できるシステムやサービスを提供することが可能になります。
顧客の利便性向上のために、負荷分散システムの導入などでピーク時でもスムーズなやり取りが可能になるよう工夫することが求められます。
サーバー / ネットワークの知識・スキル
サーバーやネットワークに関する知識とスキルは、効率的で信頼できるITインフラを整備し、運営するために欠かせません。サーバーでは、Windows、Linux、UnixなどのOSに関する深い理解が不可欠です。
つまり、サーバーのインストール・設定・運用に加え、セキュリティ対策・パフォーマンスの最適化・負荷分散などの高度な機能を管理する能力が要求されます。
ネットワーク分野では、基本的なネットワーク構造の知識に加え、以下の知見も欠かせません。
- ルーティング
- スイッチング
- ファイアウォール
特に災害対応のネットワークシステムなど、重要なシステムでは高い可用性と耐障害性が必要とされ、トラブル発生時の迅速な対応能力も求められます。
最近では、多くの企業がクラウド技術の導入を進めるようになっています。これにより、物理的なリソースだけでなく、クラウド上のリソース管理やスケーラビリティを実現する設計力が求められるようになってきました。
クラウドスキルは、金融取引処理の効率化やオンラインショッピングサイトの顧客満足度向上など様々な場面で活用され、ビジネスに非常に高い効果をもたらしています。
仮想化の知識・スキル
仮想化によってサーバーのリソースを有効活用でき、アプリケーションごとの独立環境を構築できるようになります。この技術は開発・テスト環境の構築や災害対策に役立つといえます。
情報セキュリティの知識・スキル
インフラエンジニアは以下のようにさまざまなセキュリティ対策を実施することで、システムの安全性を確保しています。
- ファイアウォールの設定
- 侵入検知システムの導入
- 暗号化技術の適用
- アクセス権限の管理
企業活動の信頼性と安定性を担保し、企業価値を高めるには、万全のセキュリティ対策が施されたITインフラが不可欠です。
ミドルウェアの知識・スキル
ミドルウェアは、アプリケーションとオペレーティングシステムのインターフェイス役を果たすソフトウェアです。データベース管理やアプリケーションサーバーの運用など、重要な業務に欠かせません。
シェルスクリプトの知識・スキル
シェルスクリプトを習得することで、毎日の管理業務やシステムのメンテナンス作業を自動化できるようになります。具体的には、システムのバックアップやソフトウェアのアップデートなどの定期的な作業をスクリプト化することで手作業のミスを防ぎ、作業時間を短縮することができます。
加えて、シェルスクリプトを使うことで、サーバーの監視や性能分析も行えます。
このようにシェルスクリプトを活用することで、インフラの健全性を継続的に管理し、想定外のダウンタイムを防ぐことができます。
インフラエンジニアの独学での勉強方法
インフラエンジニアになるために、独学で習得する方法を4つご紹介いたします。
- 本やWebサイトで独学をする
- 実際に手を動かして練習をする
- 資格取得を目指して勉強する
- 迷ったらコマンド操作から学習する
エンジニアとしての技術を習得するには、実際に実践を重ねることが何より大切です。理論知識を得るだけでなく、実際に手を動かして演習を行うことが重要です。様々な方法で学習しながら、実践経験を積むことが最優先されるべきでしょう。
本やWebサイトで独学をする
本を利用すれば、ネットワークやサーバーに関する基礎から、具体的な構築・管理方法まで、幅広い知識を習得可能です。内容が網羅的で体系的に学べるのが、本を通して学ぶ利点です。
Webサイトを活用すれば、最新のトレンドや技術情報を効果的に収集できます。技術系ブログやオンラインコミュニティには、第一線で活躍するエンジニアの率直な声が集まっています。
実際に手を動かして練習をする
理論だけではなく、実際に手を動かして練習を重ねることで、学習した知識を業務で活用できるようになります。例えば、次のような実践的な演習を行うことで、技術の理解が深まります。
- 仮想環境でのサーバー構築や設定
- ネットワーク機器のコンフィグ操作
実際に手を動かしてみることで、生じた問題の原因を特定したり対策を試行錯誤しながら、実践的な問題解決力を身につけることができます。
資格取得を目指して勉強する
インフラエンジニアとしての資格取得に向けて学習を続けることは、体系的な知識の習得に役立ちます。ネットワーク分野のCisco認定資格(CCNA、CCNP)やLinuxの知識を評価するLPI認定資格などは、インフラエンジニアにとっておすすめの資格です。
資格を選ぶ際は、「実務で役立つ」と「転職や昇給に活用できる」という2つの観点から検討するのがおすすめです。
迷ったらコマンド操作から学習する
インフラエンジニアにとって、コマンド操作は非常に基礎的な能力のひとつです。特にLinuxサーバーの運用では、GUIではなくCLI(コマンドラインインターフェース)を使うのが一般的です。
以下の基礎的なコマンドから覚え始めると良いでしょう。
- ファイル管理:lsやcd
- プロセス管理:psやtop
- ネットワーク:pingやtraceroute
実際にこれらのコマンドを使ってみることで、コマンドラインに対する抵抗感は徐々に薄れていきます。
インフラエンジニアはオワコンではない
本記事では、インフラエンジニアがオワコンの職業ではない理由について解説しました。
クラウド化が進展しても、オンプレミス環境の需要は残っており、メタバースの普及に伴い新たな需要も生まれています。高い専門性を身につけたインフラエンジニアは高い報酬を得られる環境にあり、確実に活躍の場が用意されています。
ただし、時代の変化に合わせて、最新のスキルを習得し続ける必要があります。ネットワーク、サーバー、セキュリティ、クラウド等、幅広い知識とスキルを持ち、常に新しい情報を取り入れていくことが重要です。
適切な自己研鑽を続けることで、確実に企業から必要とされる存在となれるはずです。