コーダーの年収は低い?収入をアップさせる6つの方法を紹介
「コーダーの年収はどのくらい?」
「コーダーの収入は他の職種と比べて低いの?」
このような疑問を持ったことはありませんか?そこで、この記事では以下を中心にお伝えします。
・コーダーの年収は他のWebプロフェッショナル役職と比べて低い傾向にある
・正社員、派遣社員、フリーランスといった雇用形態によって年収に差がある
コーダーはWebサイトの構築やデザインといった重要な役割を担っているものの、年収面では低い傾向にある職種です。
またフロントエンドエンジニアやWebディレクターといった上級職への昇進も見込めるため、スキルアップと適切なキャリアプランを立てることで、コーダーから高収入を得られるようになるでしょう。
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コーダーの年収は低い?
Webコーダーの年収は、以下のように他のWeb系の職種と比べて低い傾向にあると言われています。
- コーダーの平均年収:約317万円(参考:転職会議)
- プログラマーの平均年収:約550万2,000円(参考:職業情報提供サイト jobtag)
なお、国税庁が公表しているデータによれば、日本人の年収平均は461万円です。平均的な収入に比べてみても、コーダーの年収は低めであることが分かります。
Webコーダーの年収
ここからは以下3つの雇用形態別に、それぞれの年収状況について解説しています。
- 正社員
- 派遣社員
- フリーランス
正社員の場合
コーダーの正社員の年収は、おおむね300万円~350万円程度です。「転職会議」によると317万円という結果が出ています。
国税庁の統計によると、日本人の平均年収は461万円ですが、コーダーの給与水準はそれよりも低いことがうかがえます。
派遣社員の場合
派遣社員の場合、正社員と比較して年収がさらに下がる傾向が見られます。
高収入を望む場合は、コーディングの専門性に加えWebデザインの能力も兼ね備えるといった、複合的なスキル獲得が鍵です。
フリーランスの場合
フリーランス向けの案件紹介サイトフリーランススタートの調査によれば、Webエンジニアとしてフリーランスで働く場合の平均年収は約688万円前後です。平均的な正社員の賃金よりおよそ220万円も高くなっています。
しかしながら、フリーランスにはクライアントを獲得するのが難しかったり、収入が不安定になるといったマイナス面もあるため、フリーランスを選択する際は慎重に吟味しなければなりません。
コーダーの仕事内容
コーダーの主な業務はコーディングですが、クライアントやWebディレクターとの打ち合わせや、完成後のデバッグ・修正作業など、細かな業務も担当します。
Webデザイナーやクライアントとの打ち合わせ
Webデザイナーやクライアントが示したデザインを参考に、Webサイトの制作内容について意見交換をおこないます。
相手の理想とするイメージを形にするには、綿密なヒアリングが不可欠です。また、複数回にわたる打ち合わせで、相手の意図と齟齬が生じないよう、不明な点をすべて明確にする必要があります。
ページや文章の設計
依頼されたWebサイトが比較的単純な場合は、すぐにコーディング作業に取り掛かることがあります。一方、複雑な場合は以下の内容を事前に整理をしておくことが大切です。
- ページの構成
- 遷移の設計
- 文章の下書き
サイトが複雑になるほど、事前の整理が求められます。他者にも理解しやすい構造や文章の作成が必要です。
シンプルで分かりやすいコードを書くことで、後々サイトの運営がスムーズになり、トラブル対応も容易になります。
コーディング作業
設計や事前準備が整った後は、本格的なコーディング作業に取り掛かります。コーディングとは、HTMLやCSSといったマークアップ言語を用いて、依頼されたデザインに合わせてWebサイトを構築していく工程を指しています。
コーダーの主要な業務のほとんどを担当し、複雑なウェブサイトの開発を担当する場合は、デザインやクライアントの意図と自分の認識に食い違いがないよう、随時チェックします。
修正・デバッグ
サイトの完成後は自分で実際に使ってみて、何か問題がないかをデバッグ(テスト)します。
問題が生じた場合は、デバッグと修正を続けて解決を図りますが、期限までに間に合わない状況が生じたら、徹夜で作業をすることもあります。
コーダーの将来性は低い?
コーダーの将来性について検索すると、否定的な意見にも出会うことがあります。その背景には大きく2つの理由が存在すると考えられます。
- コーディングの自動化が進んでいるため
- 使いやすいCMSが登場したため
コーダーの将来性が低いと言われる大きな理由の1つが、コーディング作業を自動化するツールが登場していることです。例えば「Amazon CodeWhisperer」を使えば、機能やデザインについての日本語コメントを入力するだけで、コードが自動生成されます。
また、使いやすいCMSが増えたことで、コーダーにも影響が及んでいます。CMS(Contents Management System)は、コンテンツを一括管理するソフトやシステムのことで、マークアップ言語や文書構築の知識がなくても、誰でも簡単にWebサイトを作れるツールです。
最も有名なCMSは「WordPress」で、初心者からWeb業界のプロまで多くの人に利用されています。
しかし、コーディング自動化ツールには使いやすさに課題があり、あらゆることを自由に自動化できるわけではありません。さらに、CMSを使って本格的な動的サイトを作る際には、コーディングの専門家の力が必要不可欠です。
自分のスキルレベルを高め、自動化の技術では対応できない領域を数多く習得することで、仕事を奪われることなく活躍を続けていくことができるでしょう。
Webコーダーに必要なスキル
Web業界で働いている方の中には、コーディングの仕事に転職したいと考えている人もいるようです。コーダーとしてすぐに成果を出すために必要な知識やスキルについてお話しします。
UI/UXの知識
UI/UXとはそれぞれ以下の略称です。
- UI:ユーザーインターフェース(User Interface)
- UX:ユーザーエクスペリエンス(User Experience)
Webサイトを構築する際には、ユーザーの使いやすいUIや快適なUXを提供できるように努めます。例えば、大手ECサイト「Amazon」では、欲しい商品を簡単に見つけられる検索機能や、分かりやすい商品情報が提供されています。
コーダーにとっては、ユーザー目線で考えられる視点が必要不可欠です。
SEOの知識
SEOは検索エンジン最適化(Search Engine Optimization)の頭文字をとった言葉です。ウェブサイトの構造や内容を改善し、ユーザーが欲しい情報を分かりやすく提供することを指します。ブラウザソフトの中ではGoogleがきわめて高いシェアを占めています。
ユーザーは検索する際にキーワードを入力します。その背景にあるユーザーの求める情報を先んじて考え、適切な情報を提供することで、多くのユーザーの流入を集め、検索結果の上位に表示させることができます。
ウェブサイトの構築がコーダーの主な仕事なので、クライアントやユーザーの要望に応えるために、SEOの知識を深めておくことが非常に重要です。
プログラミングスキル
コーダーが業務するうえで言語を使いこなす必要があります。最低限、以下の言語について理解と操作が可能になるように努めましょう。
- HTML/CSS
- JavaScript
HTMLとCSSはよくセットで使用される言語です。これらはWebサイトを構築するためのマークアップ言語であり、プログラミング言語であるJavaやC++とは用途が異なります。
PHPスキルを習得すれば、データベースを活用した大きいサイトや難しい案件にも取り組めるようになるため、学ぶことをおすすめします。
発想力と提案力
コーダーには、デザイン通りに正確にコーディングする能力に加え、ユーザビリティの向上を意識し、チームに提案する力が求められます。
与えられた作業をこなすだけでなく、積極的に独自のアイデアを生み出せるコーダーは重要視されるでしょう。
コミュニケーション力
コーダーは1人で黙々と作業を進めるというイメージがあるかもしれませんが、実際にはチームで協力しながら業務を行うことが多いです。
Webディレクターやクライアントと打ち合わせを行い、Webデザイナーとすり合わせを行います。大規模な案件の場合、他のコーダーとも協力して進めることがあります。
Webサイト制作では、デザイナーとエンジニアの関心点が異なるため、それぞれの立場を念頭に置きながら説明をすることが重要です。さらに、相手の本来の意図を捉えきれていないと、認識のズレが生じてしまうので注意が必要です。
Webコーダーとして稼ぐ方法
コーダーはほかのWeb業界の職種と比較して収入が低い傾向にあるとお伝えしました。
ただし、優秀なコーダーの中には年収500万円から1,000万円以上を稼ぐ人もいます。市場が求めるレベルのコーディング力があれば、高収入を実現できる可能性も十分にあります。以下でコーダーとして稼ぐ方法を紹介します。
常にスキルを磨いて市場価値を高める
Web業界全体に共通しますが、常に新しい技術が登場し続けているため、自分のスキルを継続的に更新し続けることが大切です。言語はもちろん、多くの人が使用しているソフトやツールの活用方法も学んで、ある程度使いこなせるといいでしょう。
Webサイトの構築やデザイン、コンテンツ管理を一括で行えるCMSシステムの中で、最も著名で広く利用されているのが「WordPress」です。
大規模開発に関わるなどの経験を積む
コーダーの場合、個人よりもチームで業務を進めることが一般的です。プロジェクトが大規模で複雑になれば、得られる経験も格段に増えます。
また、現場で求められるスキルも高度なものが多いため、大規模プロジェクトに携わることで非常に貴重な経験を積むことができ、それが就職・転職活動では強みとなるでしょう。
マネジメントや上流工程の役職につく
コーディング経験を積むことで、フロントエンドやサーバーエンジニアなどへの転身が可能になります。これまでの知識を活用できるコーダーは、非常に魅力的な職種だと言えます。
異なる職務を務めることで、チームのマネジメントやプロジェクト・企業全体の管理といった役割を担えるようになります。一例としては以下の通りです。
- Webディレクター
- Webプロデューサー
- プロジェクトマネージャー(PM)
コーダーから上級職、リーダー・マネージャー職へとキャリアアップすれば、収入アップも期待できます。
作業を効率化できないか考える
限られた時間の中で多くの案件をさばけば当然ながら収入は上がります。そのためにも、作業の効率化がとても大切です。
コーディングの中で単純な部分や繰り返しの部分は、自動化ツールやAIツールを使うことで作業時間を大幅に短縮できます。自分で行う必要のない部分は自動化し、自動化できない箇所のみ自分で対応すれば良いでしょう。
現代では、業務効率化や自動作成のためのツールが数多く登場しており、単純作業のほとんどが自動化可能になっています。
「この部分は自動化できないだろうか」「この作業、少し面倒だな」と思ったら、それを実現・効率化できるツールが見つかるはずなので、一度検索してみることをおすすめします。
別の職種へキャリアチェンジするキャリアアップを目指す
コーダーとしての収入や仕事内容に納得がいかないなら、別の職に転身したり、上の立場を目指したりするのがいいかもしれません。挑戦したいという思いは非常に大切です。
コーダーの仕事は、他のWebの職業と比べて収入が低い傾向にあります。そのため、別の職種や上位の役職に変更することで、収入アップが望めます。
フリーランスとして独立する
コーダーとしての経験がある程度たまれば、独立してフリーランスで活躍することも可能になるでしょう。
正社員は収入に上限がありますが、フリーランスとなれば収入を自身で決められます。自ら営業活動を行い、クライアントとのネットワークを築き、多くの案件を受注できれば、さらに高い収入を目指せるでしょう。
一方で、自己管理を徹底的に行わなければなりません。また、収入面でも不安定さが伴います。
しかしながら、企業内の人間関係から開放されるほか、案件の獲得やスキルアップなども自らのペースで進められるメリットがあります。
Webコーダーのキャリアパス
コーダーは、プログラミングやWebデザイン、UI/UX、サーバー管理など、Webサービスの開発に必要なスキルを習得しやすい職種です。コーダーとしてスキルを高めていくことで、様々なキャリアを選べるようになるでしょう。
フロントエンドエンジニア
フロントエンドエンジニアの役割は、Webサイトやシステム、アプリのユーザーに見えるユーザーインターフェースの設計と構築を担当することです。
フロントエンドエンジニアを目指すことで、構築できるWebサイトの範囲が大幅に広がり、クライアントのニーズをより多く満たせるようになります。そのため、より多くの案件を獲得できるようになるでしょう。
Web業界の上級職は人手不足のため需要が高く、非常に重宝される職種であるといえます。
サーバーサイドエンジニア
サーバーサイドエンジニアは、Webサイトやアプリ、システムの動作に不可欠なサーバーの管理や処理を担当する職種です。サーバーサイドエンジニアはユーザーからは見えないバックエンド側を担当しています。
コーダーとして活躍するには、サーバーの構造や仕組みについての基本的な理解が必要不可欠です。
Webデザイナー
コーダーは、HTMLやCSSといった言語を使ってウェブサイトの制作を進めますが、WebデザイナーはPhotoshopやIllustratorといったグラフィックソフトを使ってデザインを作成します。
業務の中で Webデザイナーとをやり取りをする機会もあるので、コーダーにとってWebデザインに関するスキルや知識は、身につけておいて損はありません。
Webディレクター・Webプロデューサー
Webディレクターやプロデューサーには、クライアントとの打合せで相手の意図や希望を引き出し、それをチームに上手く伝えることが求められます。そして、期限に間に合うよう、プロジェクトのタスク管理を行うのが主な業務です。
ディレクターやプロデューサーの仕事を希望するには、さまざまな役職の事情やスキルを程度把握する必要があります。また、チームを統率する力も重要です。
豊富な経験やスキルが求められますが、給与アップが期待でき、自信やモチベーションにつながるでしょう。
PM(プロジェクトマネージャー)
クライアントが求めるウェブサイトの制作から納品に至るまでの一連のプロセスを包括的に管理する役割です。
Webディレクターやプロデューサーと同様に、クライアントとの打ち合わせに参加したり、案件に携わるチームの管理を行います。しかし、以下のように現場との距離感が少し違います。
- ディレクターやプロデューサー:現場に近い位置で、各役職の進捗状況管理や問題発生時の解決に取り組む
- PM:案件全体を俯瞰した視点から管理する
案件全体の進捗状況の把握や、期限に間に合うようなスケジューリング、さらには予算管理や人員配置など、企業経営者の視点から案件を統括する役割を担っている点が特徴です。
PMにはディレクターやプロデューサー同様、以下が必要とされます。
- 高い専門性
- 優れたコミュニケーション力
- チームマネジメント能力
加えて、PMになるには一定の実務経験も必要不可欠です。そのうえ、企業の内情を理解し、クライアントと対等に話し合える提案力と交渉力も重要な要素です。
コーダーの年収は自分しだいで上げられる
コーダーの平均年収は300万円前後と低めですが、優秀なコーダーは年収500万円以上を稼ぐこともできます。常に新しい技術を学び、大規模プロジェクトに参加するなどして自身のスキルを磨いていけば、より高収入が期待できるでしょう。
また、フロントエンドエンジニアやWebディレクターといった上位職への昇進も可能です。
一方で、コーディング自動化ツールの登場やCMSの普及などにより、仕事が奪われるリスクもあります。しかし、自動化できない高度なコーディングスキルを持っていれば、安定的な仕事を見つけられるはずです。
そのためには、UI/UXの向上・SEOの知識・効率化の工夫など、コーダーに求められるスキルを身につけることが重要です。スキルを磨けば、コーダーは高収入を得られる魅力的な職種となりうるでしょう。