未経験からWebエンジニアになることはできる?現役エンジニアの目線で徹底解説
「Webエンジニアになりたいけど未経験でもなれるの?」
「未経験からWebエンジニアになるのは不可能」
「未経験からWebエンジニアを目指すのは難しいの?」
何事も初めての領域に挑戦するということは、ハードルの高いものです。
特にWebエンジニアの領域は、専門的な知識が求められることが多く、未経験からの挑戦は難しいと感じる人も多いのではないでしょうか?
そこで本記事では、Webエンジニアを未経験から目指すことの難しさについて、現職のWebエンジニアの視点から解説しています。
また、未経験からWebエンジニアになる方法についても解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
・Webエンジニアになってよかったと感じること
・Webエンジニアという職業について
目次 (PRも含まれます)
未経験からWebエンジニアを目指すのは難しい?
結論からいえば、未経験からWebエンジニアになることは簡単ではないものの、チャンスは十分にあります。
というのも、エンジニアの現場では、新卒採用として未経験の採用を行うケースがあるからです。
また、未経験者を中途として迎えるケースも多く、未経験からの転職の機会は十分に高いと考えられます。
ここでは、未経験からWebエンジニアを目指す難易度について、Web業界の現状を踏まえながら解説します。
企業が未経験のWebエンジニアを採用する理由
エンジニアの採用は年々需要が高まってきている一方で、日本は人口の減少によって新規でエンジニアの数自体も減少傾向にあります。
特に若手であればあるほど、人口減少が進んでいるのが現状です。
そのため、経験者採用だけではエンジニアの数が足りず、未経験者からも採用する必要があります。
もう一つの理由は、中途で正社員としてエンジニアを採用すると、単価が高すぎるという点です。
2010年代以降エンジニアバブルが起こった影響で、エンジニアの単価は飛躍的に向上しました。
また、人材が不足している現状では、優秀なエンジニアを確保するため各企業の採用戦略が給与相場を大きく引き上げています。
そのため、エンジニアを採用する単価も非常に高くなり、中途採用が企業の負担となるケースもあるのです。
未経験者の採用は、ミッションやビジョン、バリューなどの企業理念にマッチしたエンジニアを採用できるという大きな魅力があります。
経験者を採用できたとしても、企業の方針とのミスマッチが生じてしまうと、結果を出さずにすぐに別の会社に行ってしまうという事態が起こりかねません。
そのため、まずは未経験者から採用し、しっかりと育成をしていくことで、会社にロイヤリティを持ってもらえるようにすることが重要だと考える企業もあります。
Webエンジニア未経験の新卒の需要
エントリーレベルのエンジニアとして、未経験者を対象とした新卒採用の需要は非常に高いです。
ただし新卒採用のなかでも、学生時代に何かしらのインターンでプログラミングを学習してきた人と、全く勉強してこなかった者とでは需要が大きく異なります。
学生時代にWebエンジニアとしてインターンなどに参加していた場合、需要としてはほぼ中途採用に近い状況になります。
そのため、新卒でも年収が500万から600万円以上になっていくケースもあるでしょう。
ちなみに、新卒採用を受ける場合は、基本的に学歴で見られるケースが非常に多いです。
なぜなら、ポテンシャルを評価する方法がそこまでないからです。
日本最大級の上場している会社の派遣のSESの会社だと、少なくともMARCH以上の学力が求められるケースがあります。
Webエンジニア未経験の20代の需要
20代のWebエンジニア未経験者も需要が高いといえます。
特に、新卒と同じレベル感でみられる、第二新卒は需要が高いといえるでしょう。
ただし、新卒での採用と同様に、独学でもしくはスクールなどを利用して、最低限のWebエンジニアの知識が必要です。
例えば、オリジナルのWebアプリケーションを開発など、ある程度の知識とスキルを持つことが重要です。
Webエンジニア未経験の30代の需要
30代の未経験者は、20代に比べて圧倒的に需要が低くなります。
ただし、100%無理というわけではなく、内定を出してくれるケースもあります。
30代になると、どうしても新卒や第二新卒といった年齢での評価ではなく、もう社会人としてある程度の能力があるという風に評価されることが一般的です。
そのため、非常に高度なポートフォリオが求められるか、もしくは大学や高校の学歴でポテンシャルを評価されるケースが多いです。
30代前半まではギリギリ未経験で転職できることはあると思いますが、それ以降になってくると非常に難易度は上がってきます。
Webエンジニア未経験の40代以上の需要
Webエンジニア未経験で40代以上の需要はあるかというと、基本的にはありません。
未経験で採用したい場合は育成枠になるのですが、20代や30代に比べるとい育成のコストがかかる点が難点です。
40代になってくると、さまざまな事情から年収を高く設定しないと入社することが難しい状況になります。
また、自分よりも年齢が高い人を未経験から育成するというのは非常に難しく、20代〜30代がボリュームゾーンとなるエンジニア業界にとっては、まさに育成が難しいといえるでしょう。
そのため、40代でエンジニアを未経験で採用するということは基本的にはありません。
もしWebエンジニアとして未経験から働きたい場合は、転職という形ではなくフリーランスという形で働く方がまだ現実的です。
また、Web系のエンジニアよりも、WEB制作やランディングページ制作の文脈でコードを書いていく方法であれば、40代でもギリギリ案件を獲得できる可能性はあります。
ただし、いずれの場合も知識やスキルのないエンジニアは案件を受注できないため、かなり難易度もリスクが高い方法といえます。
未経験からWebエンジニアになるには?
ここでは、初心者がWebエンジニアになるための方法を解説していきます。
具体的には、次のステップでWebエンジニアになるための準備を進めましょう。
- 必要なスキル・知識を身につける
- スキルや知識を証明できる資格を取得する
- 自分でサービスを作ってみる
それぞれのポイントを詳細に説明します。
必要なスキル・知識を身につける
未経験からWebエンジニアを目指す場合は、エンジニアとして必要なスキルを身に付けることが欠かせません。
ただしここでいうスキルとは、開発言語や具体的なエンジニアリングのスキルではなく、エンジニアの業界で働くための最低限のスキルのことを指します。
具体的には、以下のようなスキルを身につけることがおすすめです。
- コミュニケーションスキル
- ロジカルシンキング
- 効率的な学習スキル
- 集中力
- 課題解決スキル
これらのスキルは、システム開発における重要な能力です。
チーム内で開発作業を進める時や、バグが検出された時など、さまざまな上に挙げたスキルが試されます。
新卒や中途採用で未経験からWebエンジニアを目指す場合も、上記のスキルを持っていることを証明することが重要です。
スキルや知識を証明できる資格を取得する
未経験からWebエンジニアを目指すのであれば、資格を習得をすることもおすすめです。
Webエンジニアに必要な知識やスキルを効率的に習得できるうえ、就職や転職活動の場でも活躍します。
例えば、IT業界未経験からWeb業界を目指す場合は、ITパスポート試験(iパス)や基本情報技術者試験などがおすすめです。
IT分野での仕事に就く上で欠かせない基礎知識を身につけることができるので、業界で働くうえで必要な知識を学べます。
また、資格を取得していることで、自身のスキルや知識を第三者に効率的に証明できます。
スキルや知識のアピールや、学習意欲を企業に伝えられるため、未経験でも資格を習得しておくことは有効な手段です。
自分でサービスを作ってみる
独自のアプリやWebページを構築することも、未経験者におすすめの手段です。
実際に自分の手を使ってWebシステムを理解しておくことで、より実践的にスキルや知識を習得できます。
また、自分で開発したWebサイトやWebアプリケーションは、資格と同様に自分の能力を示すポートフォリオにもなります。
Webエンジニアとしての職を目指す際には、Heroku等のPaaSサービスを用いて、サービスを展開するスキルが求められます。
同じ未経験であったとしても、ある程度自分の保有するスキルを証明できるようになるため、かなり有利に就職・転職を進められるでしょう。
未経験からWebエンジニアを目指すときにおすすめの資格
ここでは、Webエンジニア未経験者におすすめの資格について紹介します。
以下の資格は、これからエンジニアを目指す人や、未経験からの就職・転職にも活用できます。
IT業界で働くうえで取得しておきたい資格もありますので、ぜひチェックおきましょう。
ITパスポート試験(iパス)
ITパスポートは、経済産業省の主導で独立行政法人情報処理推進機構(IPA)する国家資格です。
社会人や学生に向けた資格で、全ての社会人が理解しておきたいIT業界の基本的な知識が学べます。
初歩的な内容や、ITについての概要を学べる資格なので、これからIT業界を目指す人におすすめです。
また、試験はCBT(Computer Based Testing)方式を導入しており、全国の会場で随時受験ができます。
国家資格ながら比較的習得しやすい資格になっているので、初学者はチェックしておくことがおすすめです。
基本情報技術者試験
基本情報技術者試験は、ITパスポートと同じく独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施している資格試験です。
経済産業省が認定する国家資格となっていて、就職や転職にも活用できます。
試験内容は、ITエンジニアが理解しておくべき基本的な知識となっていて、初学者におすすめな資格です。
また、IT分野のほかにも、マネジメントや会計の知識も求められるため、ITパスポートに比べると実務的な内容が多くなっています。
IT業界で働く基本的な知識を体系的に学べるため、これからエンジニアを目指す人におすすめです。
PHP技術者認定試験
PHP技術者認定試験は、PHP技術者認定機構が実施する資格試験です。
PHPのスキルを証明するための資格で、難易度は初級、上級/準上級、認定ウィザードの3段階です。
コーダーの仕事をするフロントエンドエンジニアはPHPを使う機会があるため、勉強として資格取得をするのがおすすめです。
初級では比較的難易度の低い基礎的な問題が出題され、上級/準上級では実践力が求められる難易度が高めの問題が出題されます。
認定ウィザードは、上級の正答率が90%を超えた人が論文を提出することで得られる資格です。
そのため初心者は初級を、実務経験者は上級/準上級から受けてみることをおすすめします。
Ruby技術者認定試験
Ruby技術者認定試験は、一般財団法人Rubyアソシエーションが運営する資格試験です。
Rubyの知識と技術力を証明する資格で、システムを設計・開発・運用を行うエンジニアにおすすめです。
試験にはシルバー(Silver)とゴールド(Gold)の2種類があり、ゴールドの受験にはシルバーの合格が条件となります。
合格率が比較的高く、Rubyの基本的な情報を学べるため、プログラミングを始める初学者や、実務で使いたい人は習得しておきたい資格です。
Webエンジニアに向いている人
Webエンジニアに向いている人には、次のような特徴が見られます。
- 学習・成長意欲の高い人
- チームでの仕事が好きな人
- 臨機応変な対応力のある人
- ユニークな発想ができる人
- ものづくりが好きな人
- 新しいことを学ぶのが好きな人
- PDCAサイクルを意識した改善ができる人
上記はあくまでも一例ですが、それぞれを具体的に解説していきます。
学習・成長意欲の高い人
エンジニアとして長く働くためには、常に新しい知識を吸収し、成長していく力が重要です。
プログラミング言語は常に進化を遂げており、定期的にアップデートが施されています。
以前はトレンドであったプログラミング言語も、時間が経つにつれて異なる言語に置き換わることもよくあることです。
例えばAIの発達は、Webエンジニアにも大きな変化をもたらしました。
Webエンジニアとして成功するには、常に進化する技術に追いつき、新たな技術を習得することが不可欠です。
逆に、一度身につけた技術を使い続けたいと人にとっては、あまり向いていないと言えます。
チームでの仕事が好きな人
協調性を大切にする人も、Webエンジニアの仕事に向いていると言えます。
Webエンジニアは1人で黙々と作業するイメージを持たれがちですが、実際にはチームワークが必要不可欠な仕事です。
プロジェクトは数人のチームで取り組むことが多く、進捗状況を報告し合ったり、不明点をチーム内に共有したり、スムーズなコミュニケーションが求められます。
またシステムを作る過程では、ユーザーの声を聞くことも重要です。
ユーザーが求める機能を正確にくみ取り、システムに反映していくためには、コミュニケーションを重ねていくことが必要となります。
臨機応変な対応力のある人
さまざまな状況に柔軟に対応することもとても大切です。
Webエンジニアの仕事をしていると、予期せぬトラブルに遭遇することがあります。
トラブルが発生する原因は毎回同じとは限らず、システムエラーやバグの原因を追求し、適切な対策を考える必要が生じることもあります。
問題に直面したときに柔軟に対応できるかどうかは、Webエンジニアにとって重要な要素です。
ユニークな発想ができる人
Webエンジニアには、独創的なアイディアを求められる場面もあります。
例えば、ユーザーが操作をするインターフェースを開発するフロントエンジニアには、便利な機能を開発するだけでなく、より目を引くようなアイディアを求められるケースもあります。
ECサイトの構築の場合、使い勝手の良いWebサイトを前提として、商品の魅力を伝えることができるサイトの制作が求められます。
Web開発を行う際には、開発の目標に応じてより高品質なサービスを作り上げることが必要です。
ユーザーが使う際の使い勝手などを、柔軟な思考で具体化していく能力が大切です。
ものづくりが好きな人
ものづくりを楽しめる人は、Webエンジニアリングの世界で大きな充実感を得られるでしょう。
自分の作ったWebサイトやアプリケーションが人々に使われ、結果的にユーザーの業務効率化や満足度につながることを目の当たりにするのはWebエンジニアの大きな魅力です。
実際に手で触れられるモノを作る仕事ではありませんが、パソコンやスマートフォンを通して目に見えるモノを作る仕事といった点では、モノ作りが好きな人に向いている職業といえるでしょう。
PDCAサイクルを意識した改善ができる人
エンジニアとして長く活躍するためには、PDCAサイクルを身につけることが重要です。
例えば、システムを構築する場合で考えてみましょう。
まずはどのようなシステムを作るのかの要件定義をして、開発の計画を立てます。
その後、実際にシステムを実装していき、正常に機能しているかのチェックをするでしょう。
システムが正常に稼働したら、ユーザーからの改善要望などを吸い取り、システムを修正をしていきます。
このように、プロジェクトによって開発のスパンは異なるものの、基本的にはPDCAサイクルを回して活動していくことが重要です。
新卒や未経験のWebエンジニアの年収
つづけて、新卒や未経験でWebエンジニアになる場合の年収をチェックしていきましょう。
これからWebエンジニアを目指していく方や、転職を検討している方は必見です。
新卒Webエンジニアの年収
結論からいえば、新卒の年収は会社によって変わります。
そもそも新卒で経験者と未経験者の採用を行っているというのも、Webエンジニア業界の非常に面白いポイントです。
通常、新卒の場合は未経験者採用なのでポテンシャルで評価されるだけです。
学歴や話した時の受け答え、モチベーションなど色々な観点があります。
しかし、Webエンジニアの領域では、エンジニアが大いに足りていない状況になっているため、新卒から優秀な人や経験者を積極的に採用する動きがあります。
一般的に未経験者の場合、新卒でも他の職種の給与水準と変わらず、だいたい年収300~400万円ぐらいが平均年収です。
一方で、学生インターンや企業などで実務経験がある場合は、最初から平均以上の収入を得られる場合もあります。
例えば、以下に該当する人は新卒で年収600~700万円くらいは狙える範囲です。
- 学生時代、LINEやメルカリなど有名なソフトウェアエンジニア業界でインターンをしていた
- ソフトウェア会社で3年の実務経験がある
中途採用かつ未経験の場合
エンジニアで中途採用かつ未経験の場合も、転職先の会社によるというのが結論です。
また、中途採用者のポテンシャルによっても変わってきます。
新卒採用とかなり似ているとはいえ、ほとんど新卒と変わらない金額になってくると思います。
ただし、以下の場合、いきなり年収500万円ぐらいのオファーが来るケースもあります。
- 学歴が非常に高い(例:旧帝大出身、東大出身)
- 外資系の会社での採用(例:アクセンチュア)
しかし、普通の人がエンジニアとして未経験から採用される場合だと、年収は300~400万円ぐらいが相場です。
採用されてから未経験で2~3年ぐらい働いていると、だいたい市場の能力としては年収500万円以上に市場の評価としては上がっていく印象です。
その2~3年でスキルアップに努めれば、正社員として転職する場合は非常に有意義な経験になると思います。
新卒でWebエンジニアとして働くメリット
Webエンジニアとして新卒で働く大きなメリットは、Webエンジニアとして未経験から育成してもらいやすいことです。
まず、中途採用と新卒採用では研修体制に大きな違いがあります。
この点は、キャリアプランを考える上で重要な視点と言えるでしょう。
新卒で入社すると、多くの企業で充実した研修プログラムが用意されています。
基礎知識から実践的なスキルまで、一定期間をかけて体系的に学べることは大きなメリットです。
また、先輩社員によるサポート体制も整っており、徐々に業務に慣れていくことができるでしょう。
一方、中途採用の場合は即戦力としての活躍が期待されるため、研修期間が短く設定されている傾向にあります。
入社直後からOJT(On the Job Training)中心の業務に携わることが多く、自己学習しながら仕事をこなしていく必要です。
経験者であっても、企業独自の技術やルールに適応するのは容易ではありません。
エンジニアとしてのキャリアをゼロから積み上げていく段階では、手厚い教育と支援が欠かせません。
新卒カードを最大限に活用し、じっくりと育成してもらえる環境を選ぶことが賢明だと言えるでしょう。
未経験からでも十分にWebエンジニアを目指せる
今回は、未経験からWebエンジニアを目指す難易度について解説しました。
最後に結論をまとめると、Webエンジニアは未経験からでも十分に目指せる職業といえます。
ただし、年齢や経験によって難易度が大きく変わることも事実です。
自分の経歴や年齢などを踏まえて、Webエンジニアへの道筋をかんがえてみましょう。