テストエンジニアに役立つおすすめの資格4選!資格取得後のメリットやキャリアパスも解説
テストエンジニアの仕事に役立つ資格やスキルがあることはご存知でしょうか?
資格やスキルを取得すると、仕事効率が上がるだけでなく、年収アップやキャリアアップも可能になります。
本記事では、テストエンジニアに役立つ資格やスキルについて解説します。
資格を取得するメリットやテストエンジニアのキャリアパスについても紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
目次 (PRも含まれます)
テストエンジニアとは
テストエンジニアは、Webアプリケーションなどを作った際に、プロダクトをお客さんに出す前に問題がないかチェックする仕事です。
テストエンジニアは別名「QAエンジニア」と呼ばれていますが、これはQuality Assurance、つまり品質保証エンジニアの略称です。
つまり、製品の品質を保証することが主な役割となります。
テストエンジニアの仕事に役立つ資格
テストエンジニアとしてのキャリアを築くためには、以下の資格を取得することがおすすめです。
- 基本情報技術者試験
- JSTQB認定テスト技術者資格
- IT検証技術者認定試験(IVEC)
- ソフトウェア品質技術者資格
それぞれの資格について、詳しく解説します。
基本情報技術者試験
基本情報技術者試験は、独立行政法人IPAが主導する国家試験です。
ITエンジニアの基礎的な資格で、IT業界を目指す人にとっては必須のものです。
基本情報技術者試験を通過することで、IT業界の基礎的な知識やスキルを有していることが証明できます。
また、IT産業で就労するために必要な資格取得の土台を作ることが可能なため、スキルアップにもおすすめです。
試験は科目Aと科目Bの2つに分かれており、科目Aは90分、科目Bは100分の時間制限があります。
どちらも1,000点満点となり、600点以上で合格となります。
合格率が約40%と高いとは言えませんが、IT関連の職業に興味がある方にはおすすめです。
JSTQB認定テスト技術者資格
JSTQB認定テスト技術者の資格は、さまざまな国のテスト技術者認定団体が加盟しているISTQB(International Software Testing Qualifications Board)の日本組織であるJSTQBが管理しています。
ソフトウェア技術者がテスト技術を強化することを目的につくられた認定制度で、ソフトウェアの品質、信頼性、そして安全性を担保するための重要な技術が学べます。
また、JSTQBの認定資格は世界中で受け入れられる国際資格です。
ソフトウェアテストに関連する資格なので、テストエンジニアにおすすめ資格です。
IT検証技術者認定試験(IVEC)
IT検証技術者認定試験(IVEC)は、一般社団法人IT検証産業協会(IVIA)が認定する資格です。
テストエンジニアに向けた資格試験で、ソフトウェア開発におけるテスト・検証能力を示せます。
実務を中心にした問題が出題されます。
資格試験はレベル1~7まで難易度が分けられており、自分の学習状態に合わせて受験することができます。
ソフトウェア品質技術者資格(JCSQE)
ソフトウェア品質技術者資格(JCSQE)は、一般財団法人日本科学技術連盟が認定する資格です。
資格を獲得することで、ソフトウェアの品質に関する知識を身につけていることが明示できます。
ソフトウェアの品質を高めるためにつくられた資格で、テストエンジニアの学習にも最適です。
資格ではソフトウェア品質工学の知識を証明できるので、テストエンジニアのキャリアアップにも役立つでしょう。
テストエンジニアに求められるスキル
テストエンジニアとして働くためには、以下のようなスキルが求められます。
- 報告のスキル
- 正確にテストを実施する能力
- サービスを利用する人への知識や想像力
- 学習意欲
- セキュリティスキル
- オフィスソフトの知識
- マネジメントスキル
それぞれのポイントについて、詳しく解説します。
報告のスキル
テストエンジニアとして実務につく場合は、報告が非常に重要です。
特にバグを報告する際は、事実と解釈を明確に分けることがポイントです。
例えば実際にバグを再現する時は、行動の結果に対してUIがどのように変化し、どういったエラーが発生したのかを具体的に説明する必要しなければいけません。
また、問題がバグなのか仕様なのかを判断することも重要です。
事実に解釈が混ざってしまうと、バグと仕様の区別がつかなくなり、エンジニアとの議論が難しくなることもあります。
そのため、事実と解釈を明確に分ける報告・連絡・相談の能力は非常に重要です。
正確にテストを実施する能力
テストエンジニアには、正確性も求められます。
テストを実行する際は、作成済みのテストドキュメントをもとに、いかに正確にテ実施できるかが問われます。
テストエンジニアは今まで作成してきたテストケースに対して、見逃しなく一つ一つ丁寧にテストを実行し、その結果を報告しなければなりません。
注意散漫でテストの過程を手順通りに進められなければ、テスト自体の正確性を問われてしまい、結果的にプロダクトの品質維持ができなくなってしまいます。
テストドキュメントに書かれたことを正確に実行する能力は、単純なようで非常に重要なスキルです。
エンドユーザーに対する理解力
テストエンジニアは、実際にサービスを使うエンドユーザーに対する理解力も求められます。
例えば、ユーザーがシステムへログインするケースで考えてみましょう。
一口にログインといっても、その処理にはさまざまなケースが考えられます。
- IDとパスワードを正しく入力したケース
- IDだけを入力してパスワードは入力しないケース
- IIDを入力せずにパスワードだけを入力したケース
- IDは合っているけどパスワードが間違っているケース
- ログインボタンを連打するケース
など、このほかにもさまざまなパターンが考えられます。
想定できるすべてのパターンを考えることこそ、テストエンジニアにとっての重要なスキルの1つです。
パターンを考えることで、さまざまなケースを想定したテストを実行できるようになり、よりプロダクトの信頼性を高められるでしょう。
エンドユーザーへの理解力は、後天的に身につけられるスキルです。
ユーザーインタビューをしたり、商談に参加してみたりすることで、ユーザーが困っているポイントを見抜けるようになります。
学習意欲
テストエンジニアは、ただテストドキュメントに沿ってテストを実行しているだけであれば、さほど難しいスキルは求められません。
しかし。自分でテストケースを作成していく場合は、幅広い分野の知識が求められます。
特に、ソフトウェアテスティングは深く学習することが難しい領域です。
テストに対する興味がある人でないと、継続的な学習が続かず、テストエンジニアとして生き残ることは難しいケースもあります。
セキュリティスキル
テストエンジニアに必要なスキルとして、セキュリティに関するスキルがあります。
一般的にテストエンジニアは、ユーザーが使うことを想定して、バグを見つけ出すことが主な仕事となります。
一方で、不正にデータの情報を抜こうとしたり、サービスを落とそうとしたりするハッカーに対して、しっかりと対策ができているかを確認することも必要です。
そのため、テストエンジニアの中でも特にセキュリティに特化した人をセキュリティテストエンジニアと呼び、専門的なキャリアを歩むケースもあります。
セキュリティテストエンジニアは、セキュリティに関するテストを設計する能力が求められます。
例えば、ログインのフォームに対する総当たり攻撃を行い、IDとパスワードを不正に入手することができるかどうかをテストすることなどです。
そのほかにも、ハッカーがデータベースから他人のクレジットカード情報を抜き取るために、スクリプト(SQLインジェクション)を入れられるかどうかのテストも実施します。
近年、企業においてもセキュリティに関する意識の高まりがあり、対策は必須事項ともいえます。
セキュリティ関連の知識を身につけることで。より活躍できるテストエンジニアになれるでしょう。
オフィスソフトの知識
基本的な知識ではありますが、オフィスソフトの知識も必要です。
テストエンジニアは、基本的にドキュメントを作っていくことが仕事になります。
たいていの場合、ドキュメントはエクセルやワードのようなオフィスソフトでまとめるケースが多く、それぞれの使い方を最低限知っていなければいけません。
特にテストケースを作る場合、エクセルの操作スキル絶対に必要になります。
マネジメントスキル
将来的にテストリーダーのキャリアパスを目指すのであれば、マネジメントスキルを身につけることは必須です。
テストリーダーとしてチームを持ち、テスターの人に具体的な計画をアサインするなど、進捗管理のスキルも必要となります。
しかし、未経験からテストエンジニアになる場合は、すぐには必要ないかもしれません。
テストエンジニアが資格を取得してメリットはある?
テストエンジニアが資格を取得するメリットは、主に以下が挙げられます。
- キャリアアップ・年収アップに繋がる
- より良い条件の転職先が見つかる
資格取得を悩んでいるなら、ぜひ参考にしてみてください。
キャリアアップ・年収アップに繋がる
テストエンジニアが資格を取得すると、任せられる仕事が増えるため、キャリアアップ・年収アップに繋がる可能性があります。
また、転職の際もポートフォリオを提出するだけでなく、取得した資格も提出することで知識はもちろん「やる気」のある人材と評価されるでしょう。
「キャリアアップしない」「年収アップしない」と悩んでいるなら、資格を取得することをおすすめします。
より良い条件の転職先が見つかる
資格を取得すると、希望する条件より良い条件の転職先が見つかる可能性があります。
企業によっては資格を取得している人材を求めているところもあり、そのような企業は年収が高い傾向にあるでしょう。
また、転職エージェントを利用すると資格もアピールポイントとしてくれるため、より良い条件の企業を紹介してくれます。
転職エージェントは非公開の求人も扱っていて、自力では見つからない条件の良い企業も紹介してくれます。
良い条件の企業に転職を考えている方は、資格取得を目指してみるのもおすすめです。
テストエンジニアが資格取得を目指すなら業務への支障に注意
テストエンジニアが資格を取得するメリットは多いため、学習に取り組もうかと考える方も多いでしょう。
しかし、資格の学習をはじめるなら業務への支障がないように注意してください。
テストエンジニアが取得を目指す資格は難易度が高く、多くの勉強時間が必要です。
オンラインスクールを運営する「資格のTAC」では、基本情報技術者試験を取得する平均勉強時間は200時間で、徹底的な対策の必要な資格と紹介しています。
そのため資格取得に集中しすぎると寝不足になり、業務に支障をきたす可能性があるでしょう。
テストエンジニアは小さなバグを見つける集中力が必要なため、集中力が落ちてしまうのは問題です。
そのため、資格取得を目指す際はスケジュールを作成し、バランスよく学習できるようにしましょう。
効率よく資格を取得したいなら、オンラインスクールなどバランスの良い学習スケジュールが組まれているサービスを利用するのもおすすめです。
テストエンジニアのキャリアパス
次に、テストエンジニアのキャリアパスを説明します。
テストエンジニアのキャリアプランは、基本的に2つに分けられます。
- テストエンジニアとして昇格していく
- テストエンジニアと別領域の能力を広げていく
ここで、それぞれのキャリアパスについて、具体的に解説をします。
テスター
通常、テストエンジニアはテスターという職種からキャリアをスタートさせます。
テスターは、テスト仕様書やテストケースを基に指定されたテストを行い、その結果を伝えるのが主な仕事です。 テストエンジニアになると、新卒・中途・未経験の場合、最初にこの業務を遂行することになります。
その上、SESなどで特にスキルアップが必要とされていないキャリアの場合、この業務を常に続けるよう要請されることが多くあります。
したがってこの職種では、テストケース通りにテストを実施しすることやエビデンスを残すこと、報告ができることがまず求められます。
テストエンジニア
テスターが自分自身でテストを実施できるようになると、少しずつタスクが増えていきます。 テストケースを単に実行するだけでなく、仕事の範囲が広がるとテストエンジニアに近づきます。
具体的に言えば、テストケースの作成やテスト計画の策定が求められます。
テストリーダー・テストマネージャー
一定のレベルに到達しテスターとして独立して作業ができるようになると、その次のステップとしてテストリーダーやテストマネージャーへのステップアップ求められます。
テストリーダーは、新製品のリリースタイミングを決定し、その機能のリリースに際してテスト期間やテスト範囲を設定します。
加えて、テストの設計や戦略の考案、そして必要なテストプランを作り上げることもテストリーダーのタスクです。
例えば、リグレッションテストをどの程度行うのか、探索テストをどれぐらいやるのかなど、テストのスケジュールを立てていきます。
テストの設計も行うのですが、設定された期限内にテストの計画を策定し、ガントチャートなどを使ってスケジュールを作成し、管理するのも業務の一部です。
また、チーム別にどの程度の工数を持っていて、そのコースに合うように開発やテストを進めていくという役割もあります。
また、エンジニア人材の育成もテストリーダーやテストマネージャーの仕事に含まれます。
自分自身でテストを行うこともあるのですが、主にチーム全員でテストを運用できるようにすることがメインの業務です。
テスト自動化エンジニア
次に、テスト自動化エンジニアの説明をします。
これは純粋にテストエンジニアの延長線上というよりは、特にプログラミングスキルを掛け合わせて付加価値を出していくような職種です。
テスト自動化エンジニアの業務は、数多くのテストの中でも特に頻繁に行われるテストを自動化することです。
これはリグレッションテスト(回帰テスト)と言い、新規の機能を導入した際に、問題が生じないかを見るテストです。
理想は、新機能が実装された時点で直ちにテストを行うことですが、テストエンジニアも人間であるため、テストの実行回数や速度には制約があります。
そのため、テストを適度に自動化することにより、テストケースをコーディングで稼働させるのがテスト自動化エンジニアの仕事です。
基本的に、テストエンジニアが作成したテストケースをコーディングするのがメインの業務となります。
テスト自動化エンジニアは需要が高まっており、フリーランスとして働きやすく、高い報酬が期待できる職業です。
プログラマー
次にテストエンジニアとは全く異なる職業なのですが、プログラマーに転向するケースもあります。
実際、プログラマーがテストを行う場面もあります。
テスト範囲は、単体テスト、結合テスト、そしてE2Eテストの3つです。
この中で、プログラマーは単体テストや結合テスト、すなわちコードレベルのテストを実施します。
しかし、ユーザーが実際に操作したときの動作の確認(E2Eテスト)は、基本的にテストエンジニアが担う仕事です。
そのため、テストエンジニアとして一定の経験を積んだ人が、ソフトウェアエンジニアに転職するケースも存在します。
テストエンジニアからプログラマーに転身することは、通常テストエンジニアのキャリアパスのにはないという点に留意してください。
テストエンジニアからプログラマーになれるという話を聞いて、プログラマーを目指すためにテストエンジニアになるというケースがよく耳に入ります。
しかし、テストエンジニアからプログラマーへの転身は非常に稀なケースです。 プログラマーの職務は基本的には経験者が直接業務に就くか、未経験者をプログラマーとして養成する場合が多くなっています。 テストエンジニアをプログラマーにする事例も存在しますが、それは非常にまれな場合と言えます。
だからこそ、初めてプログラマーを目指すなら、未経験からプログラマーへの転職活動を進めることをおすすめします。
まとめ
テストエンジニアが資格やスキルと取得すると、年収アップやキャリアパスが明確になるなどメリットが生まれます。
資格やスキルは現エンジニアはもちろん、これからエンジニアを目指す人の役にも立つでしょう。
役立つ資格にはさまざまなものがあるので、自分の業務内容やキャリアパスに合わせて選ぶのがおすすめです。
ぜひ、本記事を参考に資格取得を目指してみてください。