テストエンジニアに向いている人の特徴6選|必要なスキルや未経験からの転職方法も紹介
「テストエンジニアに興味はあるが、自分が向いているかわからない」
テストエンジニアは知識な必要な職種のため、自分に向いているか気になる方も多いでしょう。
向き不向きを知らずに学習・転職してしまうと、収入を得られないなど後悔する可能性があります。
そこで本記事では、テストエンジニアに向いている人の特徴を6つ紹介。
また必要なスキルや未経験からの転職方法も解説するので、テストエンジニアに興味ある方は参考にしてみてください。
目次 (PRも含まれます)
テストエンジニアとは
テストエンジニアは、Webアプリケーションを作った時に、「この製品がお客さんに出しても本当に問題ないか」をチェックする仕事になります。
テストエンジニアは別名「QAエンジニア」と呼ばれていますが、これはQuality Assurance、つまり品質保証エンジニアの略称です。
つまり、「製品の品質を保証するエンジニア」が主な役割となります。
テストエンジニアに向いている人
ここでは、テストエンジニアに向いている人について詳しく解説します。
具体的には、以下のようなポイントに当てはまるか人は、テストエンジニア向いていると考えられます。
- バグ探しが好きな人
- 細かいチェックが得意な人
- ドキュメンテーションの能力がある人
- 同じことの繰り返しをできる人
- ITの知識がある人
- コミュニケーション能力がある人
各ポイントに関して、具体的に説明します。
バグ探しが好きな人
バグを探すのが得意な人は、テストエンジニアとして非常に適しています。
特に、ゲーム等で不具合を検出したり、裏技を探したりする人は非常に巧みだと考えます。
バグの特定は、探索テストを実施する上で必須の能力となります。
「ここにはおそらく脆弱性があるな」、「このUIの動作を見ると、こう操作するとバグが出るな」という感じ方を自然にする人も一定の割合でいます。
細かいチェックが得意な人
テストエンジニアに向いている人の特質の一つは、細かな点のチェックに優れていることです。
テストドキュメントを見て、テストケースを一つずつチェックし、仕様書やテストに明記されている期待値や手順、結果を検証する必要があるシーンで役立つでしょう。
特にUIのチェック時に、詳細までしっかりと検証できるかどうかが非常に重要な要素です。
ドキュメンテーションの能力がある人
次に、ドキュメンテーション能力です。
テストエンジニアに向いているのは、文章作成能力と明確な伝達能力を持つ人物と言えます。
たとえば、何らかのエラーが生じた場合、提出したドキュメンテーションだけでエンジニアがその不具合を再現できるか否かが大変重要です。
一方、伝わらない文章を作成してしまうと、相手はその内容を把握できず、問い合わせを行うための余計な手間が生じます。
テスターの役割はバグを報告することなので、それができなければ仕事としては厳しいです。
指示書の作成やマニュアルの作り方が得意な人は、テスターの役割にとても向いていると思います。
同じことの繰り返しをできる人
同じタスクを再三にわたり、正確に行える人はテストエンジニアに向いていると考えられます。
テストエンジニアの職務では、製品をマーケットに出す前にスモークテストという検査を実行します。
スモークテストは、プロダクトの各リリースに伴って実行される検査で、テスターが手動で進行します。
スモークテストなどのルーチンワークに対する抵抗がなく、日常の同じ仕事でも集中力を保ち正確に行える人は、テストエンジニアにとって理想的な存在です。
反対に、繰り返しの作業に抵抗がある人は、テストエンジニアとしての仕事を遂行するのが困難かもしれないと感じます。
ITの知識がある人
テストエンジニアとしての活躍を目指すなら、ITに詳しい人や、ソフトウェア業界の経験者が向いています。
テストエンジニアの業務はソフトウェアを扱うので、ソフトウェアの基本的な知識が求められます。
例えば、ログイン手続きやファイル操作、エクセルやGoogleドキュメント、ワードなどのオフィスツールの使用は基本的に必要とされます。
また、テストの内容に応じてプログラミングの知識が要求されることもあります。
たとえば、認証機能などのセキュリティ関連のテストを実施する際には、その機能の操作方法を把握していないと、テストの実施が困難になります。
一方、プログラミングに関する知識が過多であると、ユーザーの視点でのテストを行うのが難しくなる場合もあります。
ユーザーの視点を保持するために、エンジニアの都合を無視し、ある程度の知識の制限が必要です。
テストの内容に基づき、ケースバイケースで考察し、ITの知識は適当に保持しておくと有利です。
コミュニケーション能力がある人
テストエンジニアには高い人間関係のスキルが求められます。
自分の思考を他人に伝えたり、他人の言葉を自分が理解するための双方向的なコミュニケーション能力が必要です。
テストエンジニアにとって、コミュニケーション能力は極めて重要で、多数の状況で必要とされます。
例えば、バグを検出した時に、エンジニアやカスタマーサポートに伝える事例があります。
バグの報告を行う際には、バグの再現プロセスや、お客さんがバグと指摘している事象についての分析結果を、エンジニアやカスタマーサポートが理解可能な形で伝えることが必要です。
ちなみに、ここで指しているコミュニケーション力は、会話だけでなく、チャットコミュニケーションも含まれています。
テストエンジニアに求められるスキル
テストエンジニアとして働くためには、以下のようなスキルが求められます。
- 報告のスキル
- 正確にテストを実施する能力
- サービスを利用する人への知識や想像力
- 学習意欲
- セキュリティスキル
- オフィスソフトの知識
- マネジメントスキル
それぞれのポイントについて、詳しく解説します。
報告のスキル
テストエンジニアとして実務につく場合は、報告が非常に重要です。
特に、バグを報告する際の事実と解釈を明確に分けることがポイントです。
例えば、実際にバグを再現する時に、行動の結果に対してUIがどのように変化し、どういったエラーが発生したのかを具体的に説明する必要があります。
また、問題がバグなのか仕様なのかを判断することも重要です。
事実に解釈が混ざってしまうと、バグと仕様の区別がつかなくなり、エンジニアとの議論が難しくなることもあります。
そのため、事実と解釈を明確に分ける報告・連絡・相談の能力は非常に重要です。
正確にテストを実施する能力
テストエンジニアには、正確性も求められます。
テストを実行する際は、作成済みのテストドキュメントをもとに、いかに正確に実施できるかが問われるからです。
テストエンジニアは、今まで作成してきたテストケースに対して、見逃しなく一つ一つ丁寧にテストを実行し、その結果を報告しなければなりません。
注意散漫でテストの過程を手順通りに進められなければ、テスト自体の正確性を問われてしまい、結果的にプロダクトの品質維持ができなくなるケースもあります。
テストドキュメントに書かれたことを正確に実行する能力は、端じゅうなようで非常に重要なスキルです。
エンドユーザーに対する理解力
テストエンジニアは、実際にサービスを使うエンドユーザーに対する理解力も求められます。
例えば、ユーザーがシステムへログインをケースで考えてみましょう。
一口にログインといっても、その処理にはさまざまなケースが考えられます。
- IDとパスワードを正しく入力したケース
- IDだけを入力してパスワードは入力しないケース
- IIDを入力せずにパスワードだけを入力したケース
- IDは合っているけどパスワードが間違っているケース
- ログインボタンを連打するケース
など、このほかにもさまざまなパターンが考えられます。
このパターンを考えることこそ、テストエンジニアにとっての重要なスキルの1つです。
パターンを考えることで、さまざまなケースを想定したテストを実行できるようになり、よりプロダクトの信頼性を高められるでしょう。
エンドユーザーの理解を高めることは、後天的に身につけられるスキルです。
ユーザーインタビューをしたり、商談に参加してみたりすることで、ユーザーが困っているポイントを見抜くことで身につきます。
学習意欲
テストエンジニアは、ただテストドキュメントに沿ってテストを実行しているだけであれば、さほど難しいスキルは求められません。
しかし。自分でテストケースを作成していく場合は、幅広い分野の知識が求められます。
特に、ソフトウェアテスティングは深く学習することが難しい領域です。
テストに対する興味がある人でないと、継続的な学習が続かず、テストエンジニアとして生き残ることは難しいケースもあります。
セキュリティスキル
テストエンジニアに必要なスキルとして、セキュリティに関するスキルが必要です。
一般的にテストエンジニアは、ユーザーが使うことを想定して、バグを見つけ出すことが主な仕事となります。
一方で、不正にデータの情報を抜こうとしたり、サービスを落とそうとしたりするハッカーに対して、しっかりと対策ができているかを確認することも必要です。
そのため、テストエンジニアの中でも特にセキュリティに特化した人をセキュリティテストエンジニアと呼び、専門的なキャリアを歩むケースもあります。
セキュリティテストエンジニアは、セキュリティに関するテストを設計する能力が求められます。
例えば、ログインのフォームに対する総当たり攻撃を行い、IDとパスワードを不正に入手することができるかどうかをテストすることなどです。
そのほかにも、ハッカーがデータベースから他人のクレジットカード情報を抜き取るために、スクリプト(SQLインジェクション)を入れられるかどうかのテストも実施します。
近年、企業においてもセキュリティに関する意識の高まりがあり、対策は必須事項ともいえます。
セキュリティ関連の知識を身につけることで。より活躍できるテストエンジニアになれるでしょう。
オフィスソフトの知識
基本的な知識ではありますが、オフィスソフトの知識も必ず必要です。
テストエンジニアは、基本的にドキュメントを作っていくことが仕事になります。
たいていの場合、ドキュメントはエクセルやワードのようなオフィスソフトでまとめるケースが多く、それぞれの使い方は最低限必要です。
特にテストケースを作る場合、エクセルの操作スキル絶対に必要になります。
マネジメントスキル
将来的にテストリーダーのキャリアパスを目指すのであれば、マネジメントスキルを身につけることは必須です。
テストリーダーとしてチームを持ち、テスターの人に具体的な計画をアサインするなど、進捗管理のスキルも必要となります。
しかし、未経験からテストエンジニアになる場合は、すぐには必要ないかもしれません。
テストエンジニアのキャリアパス
次に、テストエンジニアのキャリアパスについて詳しく説明します。
テストエンジニアのキャリアプランは、基本的に2つに分けられます。
- テストエンジニアとして昇格していく
- テストエンジニアと別領域の能力を広げていく
ここで、それぞれのキャリアパスについて、具体的に解説をします。
テスター
テストエンジニアは、一般的にテスターという仕事からキャリアが始まります。
テスターは、テスト仕様書やテストケースを用いて設定されたテストを実施し、その結果を報告する役割です。 未経験、新卒、中途からテストエンジニアになる場合、最初の業務としてこれを実施します。
さらに、SES等で成長が特段に要求されていない職業の場合、この仕事を継続するよう求められる場合が多くあります。
したがってこの職種では、テストケース通りにテストを実施しすることやエビデンスを残すこと、報告ができることがまず求められます。
テストエンジニア
テスターが自分自身でテストを実施できるようになると、少しずつタスクが増えていきます。 テストケースを単に実行するだけでなく、仕事の範囲が広がるとテストエンジニアに近づきます。
具体的に言えば、テストケースの作成やテスト計画の策定が求められます。
テストリーダー・テストマネージャー
テスターとして一人で業務を遂行できるまで成長したら、次の段階としてテストリーダーやテストマネージャーになる道があります。
テストリーダーは、新製品の公開スケジュールを設定し、製品をリリースするにあたってテスト期間やテスト範囲を決定する役職です。
また、テストの設計や戦略の立案、そして必要なテストプランの策定もテストリーダーの業務です。
例えば、リグレッションテストをどの程度行うのか、探索テストをどれぐらいやるのかなど、テストのスケジュールを立てていくのが彼らの役割です。
テストの構築も担当しますが、指定された期限内でテストのプランを作成し、ガントチャート等を用いてスケジュールを引き、管理するのも仕事の一環です。
また、チーム別にどの程度の工数を持っていて、そのコースに合うように開発やテストを進めていくという役割もあります。
また、エンジニア人材の育成もテストリーダーやテストマネージャーの職務に含まれます。
自分自身でテストを行うこともあるのですが、主にチーム全員でテストを運用できるようにすることがメインの業務です。
テスト自動化エンジニア
次に、テスト自動化エンジニアの説明をします。
これは純粋にテストエンジニアの延長線上というよりは、特にプログラミングスキルを掛け合わせてバリューを出していくような職種です。
テスト自動化エンジニアの役割として、数多くのテストの中でも、特に頻繁に行われるテストを自動化します。
これはリグレッションテスト(回帰テスト)と言い、新規の機能を導入した際に、問題が生じないかを見るテストです。
理想としては、新たな機能が追加された直後にテストを開始するのが良いのですが、テストエンジニアも人間であるため、テストの回数や速度には上限があります。
したがって、テストを一定レベルまで自動化することで、テストケースをプログラムにより動かすのがテスト自動化エンジニアの役目です。
前提として、テストエンジニアが立案したテストケースをプログラムに変換するのが主な仕事内容です。
テスト自動化エンジニアは大きな需要があり、フリーランスとして活動しやすく、給与が高くなる傾向がある職種です。
プログラマー
次にテストエンジニアとは全く異なる職業なのですが、プログラマーに転向するケースもあります。
実際、プログラマーもテストを遂行する場合はあります。
テスト範囲は、単体テスト、結合テスト、そしてE2Eテストの3つになります。
この点について、プログラマーは単体テストや結合テスト、すなわちコードレベルのテストを直接行います。
ただし、実際にユーザーが操作した際の動作の検証(E2Eテスト)は、基本的にテストエンジニアが負う役割です。
そのため、テストエンジニアとして一定の経験を積んだ人が、ソフトウェアエンジニアに転職する事例も存在します。
テストエンジニアからプログラマーに進むことは、テストエンジニアのキャリアとは直結していないという点に注意していただきたいです。
テストエンジニアからプログラマーになれるという話を聞いて、プログラマーを目指すためにテストエンジニアになるというケースがよく耳に入ります。
しかし、テストエンジニアからプログラマーへの転身は非常に稀なケースです。 プログラマーの職業は、基本的には経験者が即座に業務に参加するか、未経験者をプログラマーとして育てる状況が多いのです。 テストエンジニアがプログラマーになる例もありますが、それは極めて珍しいケースと考えられます。
だからこそ、初めてプログラマーを目指すなら、未経験からプログラマーへの転職活動を進めることをおすすめします。
未経験からテストエンジニアへ転職する方法
基本的に、テストエンジニアになるために業務経験は必ずしも必要ではありません。
確かに、学歴や年齢によって選ばれない場合もありますが、SESなどでは、20代から40代でもテストエンジニアへの転職はそれほど困難ではありません。 何か特別な準備をする必要はなく、意欲と基本的な社会人スキルがあれば、未経験でもテストエンジニアになれると考えています。 ただ、ハイレベルなテストエンジニアとして、またはテストエンジニアとしてのキャリアアップを目指して転職するという場合、話は少し違ってきます。
ソフトウェアテスティングに大規模な投資を行っている企業で、テストエンジニアとしてのスキルを身につけられる会社であれば、大学卒業程度の学歴は必要です。
特に日本の代表的なメガベンチャーで働く場合、高等教育を受けていることも必要とされるでしょう。
加えて、IT業界での実績や、自分でテストについての本を読んでいるなら、未経験でも採用される可能性があるかもしれません。
さらに、年齢別の就職の難しさについてですが、20代はテストエンジニアへの転職が他の年代に比べ容易です。
30代の人も頑張れば未経験でも転職できます。
ただ、40代になると、SESの会社を除いては採用される可能性は低くなるかもしれません。
そのような場合、派遣会社を経由してテストエンジニアになるという選択肢があります。
テストエンジニアが向いてる人は未経験からでも目指せる!
テストエンジニアが向いている人の特徴は、主に6つあります。
小さなバグを見つける必要があるため、細かな作業が得意な方や集中力が続く人に向いているでしょう。
またテストエンジニアは年齢問わず未経験から始めることも可能で、転職としてもおすすめです。
ぜひ紹介した向いている人の特徴に当てはまる方は、テストエンジニアを目指してみてください。